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三井情報、テキスト解析特化の機械学習「KIBIT」の取り扱い開始、顧客の声の解析用に提案

2018年11月29日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

SIベンダーの三井情報(MKI)は2018年11月29日、テキスト解析に特化した機械学習エンジン「KIBIT(キビット)」(FRONTEOが開発)を販売開始すると発表した。VOC(顧客の声)データの活用を高度化する、といった提案に利用する。

 三井情報は今回、FRONTEOが開発したマシンラーニング(機械学習)エンジンで、類似テキストを見つけるなどのテキスト解析に特化したKIBITの取り扱いを開始した。これまで金融機関に対して提供してきた音声認識システムなどにKIBITを加えることで、音声認識によって収集したテキストデータやVOCデータを解析して高度に活用できるようにする狙いがある(図1)。

図1:コールセンターの苦情対応における活用例(出典:三井情報)図1:コールセンターの苦情対応における活用例(出典:三井情報)
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 開発会社のFRONTEOが4つの金融機関の協力を得て2018年5月に取り組んだ金融庁の「FinTech 実証実験ハブ」では、KIBITを活用した業務記録のチェック作業において「42%の時間短縮、正解検出数2倍、能力の標準化や高度化にも効果あり」との試験結果が得られたという。

 なお、KIBITは、テキスト解析に特化した機械学習エンジンである(関連記事:少量のサンプルで類似テキストを見つける機械学習ソフト、FRONTEOが提供)。学習データとして、見つけたいテキストのサンプルを与えることで、判定するテキストが学習データとどれだけ似ているかをスコア化する。

 KIBITの特徴は、教師データが少なくても使えることである。例えば、100件のデータのうち1件だけを教師データとして指定すると、指定した教師データに似た10%のデータを教師データとして使って判定モデルを作成できる。この判定モデルを用いて残りの90%のデータをスコア化できる。

 三井情報が挙げる、従来型のキーワード検索に対するKIBITの優位性は、表1の通り。

表1:三井情報が挙げる、従来型のキーワード検索に対するKIBITの優位性
ポイント 従来型のキーワード検索やテキストマイニング KIBIT
音声認識変換精度 音声認識で100%の精度を出すことは難しく、数%の精度を上げるために学習データとコストがかかる 会話全体の文脈から検知するため、多少の誤変換は問題なし
キーワード検索の限界 そもそも会話に違反のキーワードが含まれていない場合がある 特定のキーワードが含まれていなくとも文脈から検知可能
膨大な通話件数 音声通話件数が多いと、解析時間が膨大になり迅速な監査ができない 高速な解析処理により迅速な監査が可能
監査体制 全件の通話を聞くことができず、テキスト変換されても交換精度が悪いと検索ができない。監査体制にも限界がある 解析結果がスコアリングされるので、スコアの高いものから優先順位付けしチェックを効率化
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