山梨中央銀行は、行内の照会応答業務を効率化するため、AIを活用した対話型自動応答システムを導入した。2019年1月から、職員から本社部門などへの電話やメールでの問い合わせを対象に試行利用する。対話型自動応答システムをサービスとして提供しているJSOLが2019年1月23日に発表した。
山梨中央銀行が試行導入したシステムは、AIを活用した対話型の自動応答システムである。行内業務に関する従業員からの照会応答業務を自動化する。特徴の1つは、システム自身が学習データを生成できるほか、新たな知識の登録を管理者に示唆する機能も備えるなど、運用負荷を軽減する仕組みを持つこと。
一般的に、AIの活用においては、学習に必要なデータの準備や、新たな知識を登録するための作業など、人手による教育負荷が大きな課題となっている。また、学習データが足りない場合、期待する回答精度が出ないという課題もある。対話型自動応答システムは、これを解決している。
試行導入では、対話形式による自然な回答ができるかどうか、回答の精度が高いかどうか、AIの教育にかかる学習負荷を軽減する仕組みが有効に働くかどうか、などについて検証する。
山梨中央銀行はこれまで、知りたい情報がどこにあるのかを見つけることの労力が大きく、電話照会が多いという課題を抱えていた。応対をする側も、本来の業務に集中できなくなっていた。今回のシステム導入によって、照会した側と回答する側双方の業務の効率化を目指す。
なお、同システムは、三井住友銀行が日本マイクロソフトと共同で開発・製品化したアプリケーションである。これをJSOLがAzure上でPaaS型クラウドサービスとして提供している。