NECとNECのマレーシア現地法人であるNEC Corporation of Malaysiaは2019年3月22日、SD-WANの実証実験を、マレーシアのクアラルンプール大学と共同で実施したと発表した。総務省からの請負事業「ASEAN諸国におけるSD-WANセキュリティ共通基盤の構築に向けた調査検討」として、2018年9月より実施してきた。
実験では、クアラルンプール大学が実際に運用しているWANと同じ機器構成の実証用環境を構築した(図1)。この環境にNECのSD-WANセキュリティ共通基盤を導入した。これにより、既存のネットワーク機器を活用しながら、SD-WANを容易に構築できることを実証した。
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また、技術実証の一環として、SD-WANの特長である通信トラフィックの可視化や、アプリケーションにあわせた通信経路の最適化、多拠点に分散する機器のセキュリティ設定の一斉変更などを行えることも確認した。
実験では、SD-WANのセキュリティを管理する共通基盤として、オーケストレーション用フレームワーク(OpenMSA)を活用した。既存のネットワーク環境に大きな変更を加えずに導入できるため、初期投資を抑えることができる。NECは今後、同システムをグローバルに拡販していく。
実験の成功を受けて、クアラルンプール大学は、ネットワーク技術者を目指す学生の育成と、最新のネットワーク技術の研究を推進する施設として、大学内に「UniKL-NEC SDx Centre of Excellence」を開設することを決めた。NEC Corporation of Malaysiaは、同施設における実習・演習用の設備として、SD-WANセキュリティ共通基盤の核となるOpenMSAを提供する。
NECは今後、クアラルンプール大学と連携し、同施設を活用したASEAN諸国の大学との共同研究や産学連携を推進することで、各国におけるSD-WANの認知拡大やSD-WAN関連事業の拡大を目指すとしている。