グーグルは2019年7月10日、説明会を開き、AI人材の育成と技術活用の促進を目指すプログラム「Google AI for Japan」を発表した。最も重要な取り組みとして、次世代のAI人材の育成を支援するため、研究助成金、教材、ツールなどを提供する。今回、AIを研究している6人の研究者を対象に、それぞれ5万ドル(約500万円)の助成金を提供する。
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Google AI for Japanは、日本を対象に、AI人材の育成や技術の活用促進を目指すプログラムである。国内において次世代のAI人材の育成を支援するとともに、ビジネスや社会課題解決に向けたAI利用促進、さらに国内のAI研究への貢献を目的としている。
重要な取り組みの1つが、AI人材の育成である。研究助成金の提供、フェローシップ・インターンシッププログラム、さらに教材・ツールなどを提供する。今回、AI研究を推進している6人の研究者を選び、それぞれ5万ドルの助成金を提供することを決めた(表1)。
助成金以外にも、マシンラーニング(機械学習)に関する各種のトレーニングを提供する。2019年だけで、APAC(アジア太平洋)で1万5000人、日本で4800人がマシンラーニングの学習コースに参加した。マシンラーニングに特化した開発者向けのイベント「Google Developers ML Summit」も開催している。
米GoogleでAIを統括するジェフ・ディーン(Jeff Dean)氏(写真1)は、「AIはポジティブなインパクトを社会に与えている。災害対策や医療など、社会で役立っている」と指摘する。AIに関する研究開発も急速に拡大しており、毎日100件以上のリサーチペーパーを出しているという。
研究者 | 研究内容 |
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国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 教授 山岸順一氏 | 頑健かつ汎用的なニューラルソースフィルタモデルの研究 |
京都大学 情報学研究科 教授 河原達也氏 | 意図のモデル化を用いたEnd-to-End音声言語理解と対話生成 |
東京工業大学 科学技術創成研究院 教授 奥村学氏 | 単一文書要約としての文脈アウェア文圧縮 |
東京大学 大学院 新領域創成科学研究所 複雑理工学専攻 教授 杉山将氏 | 限られた情報からの機械学習 |
東北大学 大学院 情報科学研究科 システム情報科学専攻 教授 乾健太郎氏 | 知識ベースとしての言語モデル:知識の表現・獲得・検索・推論の統合に向けて |
奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究所 教授 中村哲氏 | 視覚聴覚情報を統合するマルチモーダルスピーチチェーンの研究 |