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凸版印刷とNECネクサ、画像認識で売り場の人手不足を解消

2019年11月1日(金)IT Leaders編集部

凸版印刷株式会社とNECネクサソリューションズは2019年10月31日、スマートフォンやタブレットなどで撮影した画像を認識し、事前に登録してある画像データの中から一致する画像を分析判定するサービス「ToruSil(トルシル)」を共同で開発し、提供を開始した。価格(税別)は、基本料金が月額20万円から(システム設定・構築費、API利用料、登録画像管理料などを含む)。

 ToruSilは、撮影した画像の認識・分析・判定を簡単かつ短時間で実行できるサービスである(図1)。画像に付随する情報を提供できるため、対象物を撮影することによって、詳細情報へのアクセスや、関連商品の紹介、カタログや資料などのダウンロード、決済システムとの連携によるECサービスの提供、などが可能になる。

図1:「Torusil」のサービスイメージ(出典:凸版印刷)図1:「Torusil」のサービスイメージ(出典:凸版印刷)
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 これまで説明員や店員が行っていた展示情報・商品情報の説明やレジ対応などを、利用者がスマートフォンで撮影することで簡単に提供できる。説明員や店員の業務負荷を低減できるほか、多言語でも情報の表示が可能なため、訪日外国人観光客への対応にも活用できる。

 また、凸版印刷の「IoA仮想テレポーテーション」(遠隔での観光体験やスポーツ観戦・コンサート鑑賞、就労などの用途を想定して開発した遠隔体験技術)を活用したIoAネック(5G通信に向けた遠隔体験を支援するウェアラブル型デバイス)と組み合わせることで、時間の制約や身体的な制約により遠方まで行けない人でも、参考資料を参照しながらの施設見学や商品を見比べながらのショッピングが可能になる。

 印刷物やパッケージを、スマートフォンやタブレットなどで読み取ることで画像の分析判定を行うため、QRコードや専用マーカーを埋め込んだり掲示したりする必要がない。また、スマートフォンやタブレット、PCといった、普段使用している端末から利用できるため、専用のリーダー端末の導入も不要である。

 クラウドで動作するアプリケーションのため、普段利用しているWebブラウザーから利用することができる。また、アプリケーションAPIを提供するので、すでに使用しているシステムやスマートフォンアプリケーションに組み込むこともできる。

 一般的な画像認識サービスでは、撮影された画像を膨大なデータベースのなかから総当り的に分析・類推を行うため、処理に時間がかかっていた。ToruSilは、独自アルゴリズムにより、画像の特徴量を算出しデータベース化を行うため処理時間が短く、素早いレスポンスで利用できる。

 事前に多言語で情報を登録することで、日本語以外でも情報表示ができる。これにより、訪日外国人観光客への対応にも活用できる。

 凸版印刷は今後、ToruSilを活用したコミュニケーションサービスとIoA仮想テレポーテーションの組み合わせによる遠隔ソリューションを、流通小売業や教育、観光、企業販促支援分野へ提供し、2025年度までに50億円の売上を目標にする。

 IoA(Internet of Abilities)とは、東京大学大学院情報学環の暦本純一教授により提唱された未来社会基盤である。人間の能力の拡張を目的とし、人やロボットが時間や空間の制約を超えて各々の能力を活用しあえるネットワーク環境のことを指す。

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