三井物産は、基幹システムをSAP ERPからSAP S/4HANAに移行した。新しい基幹システムは2019年11月から本番稼働を開始している。三井情報(MKI)が2019年12月6日に発表した。
三井物産は、SAP ERPの保守期限が2025年に終了することを受け、約40カ国の海外拠点で約3500ユーザーが利用していたSAP ERPをSAP S/4HANAに移行した。同時に、ERPの基盤を、プライベートクラウドからパブリッククラウドのMicrosoft Azure環境に移行した(図1)。
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SAP ERPからSAP S/4HANAへの移行に際しては、既存の基幹システムで使っているアドオン機能をそのまま利用できるように、なおかつ業務に影響なく移行できるように、システムコンバージョン方式を採用した。アドオン機能を含む既存のSAP ERP環境で稼働している機能をそのままSAP S/4HANAに移行した。
新システムでは、UI(ユーザーインタフェース)にWebベースのSAP Fioriを採用した。これにより、利用者の操作性を高めた。また、以前は入金消込作業に手間がかかっていたが、マシンラーニングで債権照合を自動化する「SAP Cash Application」を用いて自動化した。
このほか、これまで日時のバッチ処理によってデータ連携させていたデータウェアハウス「SAP Business Warehouse」をSAP S/4HANAと統合し、リアルタイムで分析できるようにした。