リコーは2020年3月3日、中小企業に向けて、紙の納品書からOCR(光学文字認識)によってテキストデータを抽出するクラウドサービス「RICOH Cloud OCR for 納品書」を発表した。特徴は、OCR結果の修正内容をAIが学習することで、認識精度を高められること。2020年3月9日に提供する。
「RICOH Cloud OCR for 納品書」は、紙の納品書をテキストデータ化するクラウドサービスである。納品書のPDFデータをクラウドにアップロードするだけで、事前に帳票のフォーマットを定義することなく納品書をテキスト化できる(図1)。納品日、仕入元企業名、商品コード、商品名、数量、金額などの情報を自動で認識する。テキストデータ化した情報はCSV(カンマ区切り形式)ファイルとして出力できるので、仕入管理システムや販売管理システムと連携できる。
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特徴の1つは、AIを活用することで、納品書情報をデジタルデータ化するだけでなく、修正データを学習して認識精度を高められることである。BPO(アウトソーシング)サービスを契約して人の目によって確認・修正するケースと比べて、安価に利用できる。また、確認と修正に人手を介さないため、在庫管理などリアルタイム性が求められる業務に適する。
リコーは、OCR結果の確認・修正をBPO(アウトソーシング)で行う「RICOH Cloud OCR for 納品書+BPOサービス」を、2019年12月から提供している(関連記事:リコー、納品書の処理を電子化するサービス、クラウドOCRとBPOを組み合わせて提供)。今回、より手軽に導入したいユーザーに向けて、修正を学習する新たなAIを搭載した「RICOH Cloud OCR for 納品書」を追加した形である。
価格は、BPOサービス付きと比べてちょうど半額に設定した。「RICOH Cloud OCR for 納品書」の価格(税別)は、「月額100枚コース」が1万5000円(超過分は101枚目から1枚当り150円)で、「月額200枚コース」が2万5000円(超過分は201枚目から1枚当り125円)、「月額500枚コース」が5万円(超過分は501枚目から1枚当り100円)。利用には「RICOH クラウドアプリケーションスタートパック」(登録料:5000円)の契約が必要になる。