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先行ユーザーのノウハウを活用してクラウドを使いこなす

セキュリティ、構築、運用のあらゆる課題でドコモの知見が力を発揮

2020年3月24日(火)

独自の「ニューラル機械翻訳エンジン」を武器に、機械翻訳市場で急速に頭角を現している新進気鋭の企業が「みらい翻訳」だ。同社は2014年の創業直後から、AWSによるIT基盤の整備を推し進めている。自社にノウハウの蓄積がない中、それを可能としたのが、クラウドの各種知見をガイドラインとしてとりまとめたNTTドコモの「ドコモ・クラウドパッケージ(DCP)」だ。これまでの取り組みやDCP利用の効果、今後の展望についてキーパーソンに話を伺った。

 

研究とサービスの基盤を“AWS+DCP”で全面整備

 世界共通語の機能を機械翻訳として2028年までに作り上げる――。この創業ビジョンの下、独自の「ニューラル機械翻訳エンジン」の開発を通じて、近年における機械翻訳市場の拡大の一翼を担ってきたのが、2014年に創業のみらい翻訳だ。ビッグデータによりAIの翻訳精度が飛躍的に高まる中、みらい翻訳は2017年、同エンジンを搭載したクラウド型翻訳サービス「Mirai Translator™」の提供を開始。翻訳精度を英文和訳でTOEIC960点レベル、日中翻訳では人による翻訳と同等レベルにまで引き上げ、かつ、翻訳後に顧客データを即座に消去するなど、セキュリティ面にも十分な配慮を払った同サービスは、契約書や定款、特許関連資料など、取り扱いに細心の注意が必要な分野で広く利用を集めている。

 そんな同社では、研究開発とMirai Translator™などのサービス提供のためのIT基盤を、Amazon Web Services(AWS)を全面採用することで整備してきた。そして、AWS上でのサービス構築からセキュリティ確保、さらに運用の最適化において活用を進めてきたのが、クラウドの導入、構築、運用管理のノウハウをパッケージ化したNTTドコモの「ドコモ・クラウドパッケージ(DCP)」である。

ノウハウ不足の中、セキュリティをどう確保するか

みらい翻訳 取締役 COO&CTO 鳥居大祐氏みらい翻訳 取締役 COO&CTO 鳥居大祐氏

 実はみらい翻訳では創業当初から、自社のIT基盤としてAWSに着目していたのだという。みらい翻訳 取締役 COO&CTOの鳥居大祐氏が「AWSは機能の進化が速く、かつ料金も毎年下がっている」ことを評価してのことである。

 ただし、AWSの全面採用に関しては課題もあった。中でも、最も危惧されたのが、クラウドを使いこなすうえで必要な知識や経験、ノウハウが創業間もない同社には決定的に不足していたこと、そしてそれに起因するセキュリティリスクだ。

 「研究開発のために蓄積するビッグデータは当社の貴重な資産です。また、サービス提供においても、顧客の機密性の高いデータを扱うことが想定されていました。自社、さらに顧客の情報資産を確実に保護するうえで、システムには当然、極めて高いセキュリティが求められます。しかし、当時はAWSの利用で、何に、どう注意すべきかを十分には把握できておらず、構成や設定などが原因で、セキュリティに思わぬ穴が開くことも容易に推察されたのです」(鳥居氏)。

 無理に利用に乗り出せば、しっぺがえしを食らう恐れがある。では、IT基盤の整備をどう進めるべきか。

 結論から言えば、鳥居氏のこの悩みは、みらい翻訳 代表取締社長の栄藤稔氏からのアドバイスで杞憂に終わる。実は栄藤氏は社長就任前からNTTドコモ イノベーション統括部の部長として在籍。そこでの陣頭指揮の経験を基にした提案こそDCPの採用だったのである。

豊富な知見サポートで「利用は自然な流れ」

 NTTドコモは日本におけるAWS活用の先駆者とも言える存在だ。2009年の研究開発部門での利用を皮切りに、顧客向けサービス、さらに社内向けデータ分析などのシステムにAWSの利用を拡大。併せて、全社横断型の「CCoE(Cloud Center of Excellence)チーム」を編成し、ユーザー部門にコンサルティングや診断、ツールおよび情報提供などを行ったり、社長直轄の「情報セキュリティ部」が、約200のチェック項目での厳格なセキュリティ監査を行ったりするなど、適切なAWS活用に向けた体制づくりも先進的に行ってきた。

NTTドコモ イノベーション統括部 クラウドソリューション担当 担当課長 住谷哲夫氏NTTドコモ イノベーション統括部 クラウドソリューション担当 担当課長 住谷哲夫氏

 NTTドコモ イノベーション統括部 クラウドソリューション担当 担当課長の住谷哲夫氏はDCPについて、「NTTドコモにおける実経験でのAWSに関する知見を、『クラウド開発』『インシデント対応』『共通基盤化』『コスト最適化』など約10のガイドラインに取りまとめ、オプションの各種コンサルティングサービスや連携サービスとともに提供するものです。ガイドラインにはデザインパターンやテンプレートなども網羅されていており、クラウド未経験でもキャリア水準のセキュリティや信頼性をクラウドで容易に実現できようになっております」と説明する。

 「データを安全に扱える環境の整備には、広く、かつ深い知識やノウハウが必要ですが、 DCPによりそれらを十分にまかなえると判断しました。かつ、諸々の課題についても、その都度、相談に乗ってもらえるとのことで、DCPの採用は当社にとって自然な流れでした」と鳥居氏は笑顔を見せる。

ドコモ・クラウドパッケージに含まれるシステム・デザインパターンの一例(ログ収集・分析の共通基盤)。NTTドコモの社内運用で実績のある事例をもとに作られているドコモ・クラウドパッケージに含まれるシステム・デザインパターンの一例(ログ収集・分析の共通基盤)。NTTドコモの社内運用で実績のある事例をもとに作られている
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 以後、みらい翻訳では、AWS上でのシステム整備を推し進め、その改善も継続的に実施。現在、研究開発向けには最新技術をいち早く利用可能で、かつインスタンスのコストも安価な海外リージョンを、サービス向けには国内でのデータ管理を狙いに国内リージョンを採用するなど、目的に応じてリージョンを使い分けしつつ、コストを最適化する体制を敷いているという。「Mirai Translator™サービスは、日経225の大企業層を含むセキュリティ要件が高いお客様に数多くご利用いただいております。機密性の高い情報を処理するために、社内にサーバーを構えてオンプレミスで運用しなければならかった金融系や重工業系、製薬系などのお客様にもご利用いただけるほどのレベルとなっています。今後もセキュリティの向上とともに、サービスの利便性向上に努めたいと思います」(鳥居氏)。

構築期間3分の1以下、新技術の見極めも円滑に

みらい翻訳 プラットフォーム部 ソフトウェア・エンジニア 川村亮清氏みらい翻訳 プラットフォーム部 ソフトウェア・エンジニア 川村亮清氏

 DCPの利用を通じ、みらい翻訳にはセキュリティ以外にも数多くの成果がもたらされているという。まず挙げられるのが「構築期間の短縮」だ。みらい翻訳 プラットフォーム部 ソフトウェア・エンジニアの川村亮清氏は、「環境構築時にありがたかったのは、用途別のシステムパターンが具体的に提示されていたことです。いちから始めるとなれば、どこから着手すべきかにも戸惑い、構築に3倍以上の時間を要していたと思います。また、幸いにして重大なトラブルは発生していませんが、そうしたときにも役立つ助言をもらえることが大きな安心感につながっています」と説明する。

 また、「最新技術の活用」もある。鳥居氏が採用理由に挙げた通り、AWSの進化は速い。これは裏を返せば、最新機能の活用のためにはAWSの知識をアップデートする必要があり、技術者の負担が増えているということでもある。対して、DCPでは最低でも年に2回はガイドラインの内容を更改することで、技術者の負担軽減に大きく寄与しているのである。

 「AWSは機能が豊富で目移りしてしまいがちですが、DCPによりいち早く最新機能を試し、利用するかどうかを見極められています。また、環境構築の短期化と相まって、技術者が本来業務の開発に、より多くの時間を割けています」(鳥居氏)。

 「運用コストの削減」も見逃せない。

 同社では、Mirai Translator™の提供開始後、AWSの利用コストが右肩上がりに増加する傾向にあったという。サービスの利用量の拡大に伴うインスタンス数の急増が主な原因だ。クラウドにおけるコスト最適化の基本は、不要となったインスタンスの削除や構成の見直しなどだが、実は当時、社内的なインスタンス管理が徹底されておらず、個々の詳細な稼働状況までは把握できていなかったという。

CostVisualizerでインスタンスの状況を洗い出す

 コスト構造の改善に向け、みらい翻訳が2016年に導入したのが、DCPの関連サービスである「CostVisualizer」というツールである。その名の通り、クラウド・コストの視覚的な把握を可能にするツールであり、同様のものはAWSにも用意されているが、一番の差別化ポイントは、アカウントごとにレポート公開の可否を柔軟に設定でき、関係者を巻き込みつつ組織全体でコスト意識を高められることにある。

みらい翻訳 管理部 シニアマネージャー 川端伸也氏みらい翻訳 管理部 シニアマネージャー 川端伸也氏

 CostVisualizerの導入後、プロジェクトとMirai Translator™のユーザー企業とを1つずつ紐づけるとともに、管理対象を研究開発部門にも拡大。この活動の旗振り役となった、みらい翻訳 管理部 シニアマネージャーの川端伸也氏は、「プロジェクトに紐づくユーザー企業数とコストの推移や研究開発部門での昼間と夜間の料金を比較することで、古いインスタンスの消し忘れや、無用な時間帯でのインスタンスの稼働を洗い出していきました」と振り返る。

 そのうえで、川端氏はNTTドコモのコンサルティングを受けつつ、インスタンスの特性を踏まえ、数年単位で契約するリザーブドインスタンスや、入札で利用が決まるスポットインスタンスなどへのインスタンス種別の見直しを実施。その甲斐もあり、2018年度には運用コストを従来から2~3割も削減することに成功したという。

マルチクラウドでのサーバーレスの利用も支援

 みらい翻訳では研究開発の深化とサービス向上に向け、今後もIT基盤の高度化を推し進める計画だ。AWS以外のクラウドを組み合わせたマルチクラウド化もすでに視野に入れているという。

 そこでも、NTTドコモはすでに良き相談相手となっている。提供開始当時、AWSのみの対応だったDCPは、対応クラウドを拡充し、現在はAzure版、GCP(Google Cloud Platform)もラインアップされている。

 鳥居氏は、同社のIT基盤の今後を次のように展望する。

 「機械翻訳の精度向上には、いわゆる"終わり"は存在しません。また、機械翻訳サービスは処理速度がお客様の満足度を大きく左右します。精度と速度のさらなる改善及び可用性向上に向けた具体策がサーバーレス技術やマルチクラウドです。その一環としてNTTドコモにはサーバーレス技術で既に協力を得ています。今後も、豊富な知見に基づく支援を期待しています」。

 NTTドコモはみらい翻訳の活動を支えるクラウド活用を、黒子として、しかし欠かせない存在として支援する。


●お問い合わせ先

NTTドコモ

サービスサイト:https://nttdocomo.cloud/
資料ダウンロード:https://nttdocomo.cloud/document.html

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