みずほ情報総研は、みずほフィナンシャルグループ共通のプライベートクラウド基盤「みずほクラウド(IA)」に「Red Hat Ansible Automation Platform」を導入し、インフラの構築を自動化した。ハードウェアリソースのセットアップ作業を自動化し、6週間程度を要していた作業期間を最短3日程度まで短縮、作業工数を78%削減した。レッドハットが2020年6月23日に発表した。
みずほクラウド(IA)は、みずほフィナンシャルグループ共通のプライベートクラウド基盤である。約1000台の物理サーバーとペタバイト(PB)級のストレージで構成し、約3500台の仮想サーバーを稼働させている。この上で、銀行業務の市場系、情報系を中心とした約120システムが本番稼働している。
みずほ情報総研は今回、構成管理ソフトウェアのRed Hat Ansible Automation Platform(以下、Ansible)を、みずほクラウド(IA)に導入した。これにより、ハードウェアリソースのセットアップ作業を自動化した。従来は、複数人のエンジニアの手作業に依存せざるを得なかった作業である。Ansibleの導入によって、6週間程度を要していた作業期間を最短3日程度まで短縮、78%の作業工数を削減した。
みずほクラウド(IA)では現在、信託系のシステム集約を順次推進している。これにともなって、インフラ構築の自動化の範囲を拡大する。また、これまで主に仮想環境の機能によって実現していたOSやミドルウェアの自動化も、Ansibleの枠組みに統合していくことを検討している。
なお、今回のプロジェクトは、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が導入コンサルティング・設計・開発を実施した。また、レッドハットが製品に関する技術支援を実施した。
なお、Ansibleは、構成管理ソフトウェアである(関連記事:レッドハット、構成管理ツール「Ansible」の有料版「Ansible Engine」を販売)。複数のサーバー機などで成り立つクラウドシステムの構成を、コードベースで制御できる。これにより、クラウド基盤の構築を自動化できる。
Ansibleは、操作対象のサーバー側にエージェントをインストールすることなく制御できる。バックグラウンドでは主に、個々のサーバー機にSSHでリモートアクセスし、サーバー上で稼働するPython言語処理系を用いて各種ソフトウェアのインストールや設定ファイルの更新を実施する。
コードは、人間が読みやすいYAMLで記述する。みずほクラウド(IA)の設定においても、Ansibleで標準化したことによって実行手順のばらつきや人的ミスがなくなったとしている。