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医薬品、医療機器の広告規制対応業務をAIで効率化――KPMG

2020年10月15日(木)杉田 悟(IT Leaders編集部)

KPMGコンサルティングは2020年10月13日、医薬品や医療機器のプロモーションを行う際のコンプライアンス対応業務を支援するAIソリューション「GRACE(General Regulatory Affairs and Compliance Enhancer)」の提供を開始した。規制が強まり、負担が増えているプロモーション用コンテンツの審査業務を支援する。

 GRACEは、医薬品や医療機器に関するプロモーション用のコピーや文章が、契約書規制やガイドラインに沿っているかを確認する審査業務を支援するソリューション。デジタル技術で規制対応を効率化するRegTech(Regulatory Technology)の一種であり、複数の自然言語処理技術を使って、逸脱や違反を発見する。

 医薬品や医療機器の広告・プロモーションは、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律=旧薬事法)、医薬品等適正広告基準、さらに各業界の自主規制などによって記載内容、表現が厳しく制限されている。例えば「絶対安心」、「確実な効果」といった記述は使えない。

 特に医薬業界に関しては不適切な広告やプロモーションをなくす目的で、2019年に厚生労働省が「医療用薬品の販売情報提供活動ガイドライン」を公表。広告はもちろん、医療用医薬品の適正使用に影響を及ぼすおそれがある口頭など音声による説明や、研究論文の体裁をとったコンテンツを規制している。ガイドラインでは企業に対し、監査部門を設置して活動を管理する要求が明記されるなど、コンプライアンスの要求レベルが高くなっている。

 一方で医薬や医療機器のプロモーション活動は雑誌や新聞、Webサイト、SNSなどマルチチャネル化しており、規制ギリギリのきわどい表現や使うケースが増えている。多くの場合、コンテンツのコピーや文章の制作を外部のコピーライターや制作会社、広告代理店などに委託しており、中には過激な表現を使うところもあるためだ。

 KPMGのシニアマネージャー澤井裕太氏は、「マルチチャネル化により宣伝機会が増える一方、委託先には規制遵守のノウハウや意識が弱いところもあり、品質のバラつきが大きくなる傾向にある」という。制作の品質が落ち、文章や表現が薬機法やガイドラインに抵触したり、用法、用量などに間違いがあると、差し戻して作り直すことになり、社内のプロモーション担当者や審査担当者の負担がさらに増えることになる。

 GRACEは、広告やインタビュー記事など外部に公開するコンテンツから表現や文章を抽出、各種規制やガイドラインから作成したリストと突合させ、禁止表現やそれに抵触する表現を検出する。怪しいG表現が見つかれば、ハイライトでアラート通知する(図1)。承認情報や商品添付の説明書などを正確な商品情報と突合させる機能もある。例えば用法、用量に矛盾がないかなどを判定して、その結果をパーセンテージで示すことで審査業務を支援する。判定の結果はフィードバックして自己学習し、継続的に検出機能を強化する(図2)。

図1:コンテンツを規制やガイドラインと突合させて禁止表現を検出する(出典:KPMGコンサルティング)
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(図2)コンテンツを正確な商品情報と突合させ文章の矛盾や数量の間違いなどをパーセンテージで評価する(出典:KPMGコンサルティング)
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 審査には高度な専門知識が必要であり、担当者の知識レベルによって結果に差が出る可能性がある。GRACEはレベルの差を埋め、審査品質を向上、均質化につなげる。KPMGコンサルティングは今後、画像や動画のチェックもできるようにするなど機能強化を図り、様々な業界向けに提供していく予定だ。「次に適用を予定しているのが金融機関」(ライフサイエンスセクター統括 執行役員 パートナー栗原純一氏)としている。

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