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マクニカ、人間の脳波を使って画像分類AIモデルを学習させられる「InnerEye AI」を販売

脳波なら正確に1秒あたり3~4枚の画像を選別可能

2020年11月19日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

マクニカは2020年11月19日、人間の脳波をAIの学習に活用できるソフトウェアおよびシステム製品を発表した。AI判定モデルを作成する際のラベル付け作業を、キーボードやマウスの操作から脳波の入力へと置き換えることで、AIの学習を正確かつ高速に実行できるようになる。イスラエルのInnerEye(インナーアイ)が開発したソフトウェアを利用する。マクニカでは、各種ハードウェアを含めたシステム製品として提供し、AIの学習も支援する。

 InnerEyeのソフトウェアは、脳波をITに活用する“BrainTech”と呼ぶ分野のソフトウェアの1つで、人間の脳波をAIの学習に活用できるソフトウェアである(図1)。マクニカは、InnerEyeのソフトウェアを販売することに加えて、必要なハードウェアを含めたシステムとして提供し、AI学習も支援する。

図1:人間の脳波をAIの学習に活用できる。画像を分類するAIモデルを作成する際、頭の中で画像を認識した時の脳波を入力して学習させられる(出典:マクニカ)図1:人間の脳波をAIの学習に活用できる。画像を分類するAIモデルを作成する際、頭の中で画像を認識した時の脳波を入力して学習させられる(出典:マクニカ)

 人間の脳波を、AIの学習に活用できる。例えば、スポーツカーの写真を見た時に、脳はスポーツカーが写っていると認識する。この時の脳波を測定し、そのままAIに学習させる。

 脳波を使えば、人の判断をキーボードやマウスで入力してラベリング/スコアリングする方法と比べて、直感的で正確にAIに学習させられる(図2)。人の脳は1秒に3~4枚の写真画像を判別できるので、学習の効率も上がる。

図2:脳波を使えば、視覚情報を頭で認識するだけで視覚内容を取り出せるので、キーボードやマウス操作などの意識的な行動よりも正確かつ素早く視覚内容を利用できる(出典:マクニカ)図2:脳波を使えば、視覚情報を頭で認識するだけで視覚内容を取り出せるので、キーボードやマウス操作などの意識的な行動よりも正確かつ素早く視覚内容を利用できる(出典:マクニカ)
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 専門家だから分かるグレーな判断を数値化できる。例えば、製造工程で不良品を検出する目視検査の場合、微妙な色合いなど、判断が難しい案件がある。脳波なら、こうしたグレーな判断を、より正確に数値化できる。

 現状では、InnerEyeのソフトウェアを使って現時点で作成できるAIモデルは、静止画像を認識して分類するAIモデルに限られる。今後、音を認識するAIモデルや、動画を認識するAIモデル、さらに画像と音を同時に判定するAIモデルを開発できるようにする。

 人間が介在せずにAIモデルだけで判定を自動化する使い方だけでなく、AIモデルと人による目視判定を組み合わせる使い方もできる。運用しながら人間の脳による判断を取り込み、AIモデルを更新して成長させられる。

 マクニカでは、InnerEyeのソフトウェアで効果が出る主な市場の例を5つ挙げた。(1)セキュリティチェック(空港、イベント)、(2)医療(遠隔医療、診断補助)、(3)工場検査(目視検査補助)、(4)農業(生育予測、品質予測)、(5)人事(集中力/疲労判定)、――である。空港でのセキュリティチェックや人事用途ではすでにPoC(概念検証)が完了している。

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