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静岡銀行、新勘定系システムを稼働開始、メインフレームからLinuxベースに移行

「将来に向けて持続可能な勘定系システム」を目指してオープン技術を全面採用

2021年1月4日(月)IT Leaders編集部

静岡銀行が勘定系システムを刷新、「次世代オープン勘定系システム」として2021年1月4日より稼働を開始した。従来のメインフレームベースからLinuxベースのアーキテクチャに移行し、ビジネス環境変化に応じた迅速な機能追加や新商品開発を可能にしたとしている。同行とシステムを共同開発した日立製作所が同日に発表した。

 静岡銀行は、メインフレームの信頼性・堅牢性をLinuxベースのオープンシステムで実現することを目途に、日立製作所と共同で次世代オープン勘定系システムの開発プロジェクトを推進してきた。「オープンテクノロジーを全面採用することで、FinTechをはじめとした新しい金融サービスやデータ利活用サービスと柔軟かつ迅速な連携が可能となり、静岡銀行のデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を支援する」(日立製作所)

 同行は、勘定系システム刷新の背景として、社会のさまざまな領域で構造変化が進展する中で、多様化する金融ニーズにスピード感を持って対応することが求められていること、金融機関が将来を展望した成長戦略を展開するためには、より先進的な金融システムの実現が重要であり、特に経営基盤の要となる基幹系システムについては、柔軟性と生産性を実現できるシステムに進化させていく必要があることを挙げている。

 新勘定系システムのコンセプトは、“2025年の崖”が指摘するレガシーシステムの諸課題を解決し、地域金融機関のDXを実現しうる「将来に向けて持続可能な勘定系システム」。それに基づいて、従来のメインフレームベースのアーキテクチャを刷新するかたちでLinuxベースの基盤上に構築。預金、為替、融資といった銀行業務を実現する「記帳決済システム」と、各種業務システムやチャネルサービスなどとの接続を統合する「バンキングハブシステム」の2つのシステムで構成されている。日立が示した、新システムの特徴は次のとおりである。

記帳決済システム
 勘定系システムの標準領域にあたる基幹業務機能群をコンポーネント/パラメータ化し、機能同士の緩やかな連携を実現することで、個々の業務の特性や重要度に合わせて機能の最適配置を柔軟に実現できるアプリケーション構造に刷新した。これにより、従来の「複雑な勘定系システム」から「シンプルな勘定系システム」への転換を図り、開発生産性を高め、稼働後の環境変化に応じた迅速な機能追加や新商品開発を可能にしたとしている。

バンキングハブシステム
 営業店システムやインターネットバンキングといった静岡銀行のチャネルサービスとの容易な接続を可能にするアダプタ機能を備える。インタフェースの統合管理・集約を図り、他システムとの連携を容易にしたことで、「作る勘定系システム」から「使う勘定系システム」への転換を目指したという。

●Next:「基幹系システム・フロントランナー・サポートハブ」の初案件として金融庁が支援

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