[ユーザー事例]
日本の中堅企業が挑むデジタル変革─DXアクセラレーションプログラム受賞9社の取り組み
2021年2月3日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
デル・テクノロジーズは2021年2月3日、中堅企業のデジタル変革を推進する総合支援プログラム「中堅企業DXアクセラレーションプログラム」の第1回中間報告会を開催した。2020年10月に開催した「DXアクセラレーションプログラム本選」の上位入賞9社が登壇し、各社の取り組みを説明した。なお、支援プログラムはデルと奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)が共同で推進し、AI、ブロックチェーン、IoTなどを学ぶ講座やプログラミング技術の習得支援などを提供している。
「中堅企業DXアクセラレーションプログラム」は、中堅企業のデジタル変革を推進する総合支援プログラムである。デル・テクノロジーズと奈良先端科学技術大学院大学が共同で推進している。中小企業に対して、AI、ブロックチェーン、IoTなどを学ぶ講座や、プログラミング技術の習得支援などを提供している。
2020年10月7日には、企業参加型のコンテスト「中堅企業DXアクセラレーションプログラム 本選」を開催した。12社(14案件)が参加した。今回、コンテストから3カ月後の第1回中間報告として、コンテストの上位入賞9社が登壇し、各社の取り組みを説明した。次回は、さらに3カ月後に報告会を開催する予定である。
今回登壇したコンテスト上位9社は登壇順に、アズワン、イグス、ヴィッツ、ピーチ・ジョン、平井精密工業、水上、ユーネットランス、レニアス、CDISC-SDTM Blockchain Teamである。
受注量を予測するAIモデルを開発
計測機器などを扱う総合商社のアズワン(本社:大阪府大阪市)は、AIモデルの開発に取り組んでいる(図1)。これまでに受注量予測モデルと適正在庫モデルを開発した。今後は、受注量に関係する有用な変数を自動で見出すAIモデルを作成する。変数の候補がインターネットチャネルのアクセス数である。インターネットチャネルは全受注額の数%のシェアしかないが、インターネットチャネルのアクセス数が全体の受注額に相関している。
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ERPデータのクリーニングに取り組む
ドイツの樹脂素材機械部品メーカーであるイグス(igus)の日本法人、イグス(本社:東京都墨田区)は、ERP(統合基幹業務システム)を対象に、会社名のデータクリーニング(名寄せ)に取り組んでいる(図2)。Python言語で自社で開発した。変換情報を記述したCSV(カンマ区切り形式)データを利用して、データベースを更新するSQLを自動で生成した。
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生産設備の課題をデジタルツインで解決
組み込みソフトウェア事業会社のヴィッツ(本社:愛知県名古屋市)は、生産設備の課題をデジタルツイン(仮想工場)で解決する仕組みを構築している(図3)。要素技術として、IoTデータ(位置データ)を正確にトラッキングする技術、設備の安全標準やルールからの逸脱を予測する技術、AIによる群制御、などを利用する。2021年3月末に仮想工場を稼働させる予定である。
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AIで受注や在庫消費を予測
女性向け下着の通信販売会社、ピーチ・ジョン(本社:東京都渋谷区)は、AIを使った受注予測(EC、店舗)、在庫消費予測、顧客行動分析、SNS分析、市場分析、トレンド分析などに取り組んでいる(図4)。これまでに、分析対象として扱えるデータを調査した。購買情報、在庫情報、ECサイトの検索データなどがある。
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●Next:平井精密工業、水上、ユーネットランス、レニアス、CDISC-SDTM Blockchain Teamの取り組み
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