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JR九州、量子コンピュータを鉄道車両の編成や割り当てに活用する検証プロジェクトを開始

2021年2月10日(水)IT Leaders編集部

九州旅客鉄道(JR九州)とグルーヴノーツは2021年2月9日、量子コンピュータなどの最新技術を活用した「鉄道車両の運用最適化」の検証プロジェクトを開始したと発表した。熟練者が経験を基に行っていた鉄道車両の編成や割り当てなどの作業に適用し、鉄道の車両運行計画の最適化を図る。

図1:両運用計画で考慮すべき要件(出典:九州旅客鉄道、グルーヴノーツ)図1:両運用計画で考慮すべき要件(出典:九州旅客鉄道、グルーヴノーツ)
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 九州旅客鉄道(JR九州)とグルーヴノーツは今回、鉄道車両の編成や割り当てに量子コンピュータを活用する検証プロジェクトを開始した。車両最適化のシミュレーションモデルを構築して実用化する(図1)。組み合わせ最適化問題を高速に解く量子アニーリング技術を利用する。

 「鉄道車両の運用は、基本となるダイヤ(列車運行計画)に基づいて計画を策定する。車両の編成組み替えや検査・清掃作業などの時間的・場所的な制約を踏まえ、熟練者が経験によって鉄道車両の編成や割り当てを決めている」(同社)

 JR九州では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の長期化により、鉄道事業における抜本的なコスト削減が急務になっている。鉄道車両の運用計画を最適化・自動化することで、車両の保有数を削減し、車両の維持コストや将来の老朽取替にかかる設備投資の抑制につなげる考えである。

写真1:対象路線を走るBEC819系架線式蓄電池電車(愛称「DENCHA」)(出典:九州旅客鉄道、グルーヴノーツ)写真1:対象路線を走るBEC819系架線式蓄電池電車(愛称「DENCHA」)(出典:九州旅客鉄道、グルーヴノーツ)
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 検証では、福北ゆたか線と若松線を主に走行する車両を対象に実施する(写真1)。今回のプロジェクトを通じて得た結果を基に、他路線への適用拡大や、旅客の需要予測などのプロジェクトも共同で進める予定である。

 なお、グルーヴノーツは、量子アニーリング技術を活用し、業務上のさまざまな組み合わせ最適化問題を解くモデル(イジングモデル)やアプリケーションを独自に開発し、クラウドサービス「MAGELLAN BLOCKS」として提供している。

 MAGELLAN BLOCKSを活用することで、最小コストとなるスケジューリングやプロセスの作成、最大利益を生み出す経営戦略の立案、渋滞回避・最短経路となる交通・物流計画など、企業や都市が抱える組み合わせ最適化の実問題を解くことに成功している。

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