アドバネットは2021年3月29日、PCI Express接続デバイスをEthernet経由で利用可能にする「ExpEther」を実装したPCIカード製品を開発したと発表した。コンピュータ側に搭載するホストバスアダプタカードと、PCI Expressデバイス側に搭載するスレーブカードの両方を開発した。ExpEtherは、NECが開発し、IPコア(回路の設計情報)を提供しているインターコネクト技術。今回、NECと共同でカード製品を開発した。2021年9月から提供する(予定)。価格は個別見積もり。
ExpEther(エクスプレスイーサ)は、NECが開発した、PCI Express仕様の周辺機器をEthernet経由で利用可能にするインターコネクト技術である。(図1、関連記事:NEC、PCI Express機器を無線LANで接続するExpEtherコンポーネントを工場向けに提供)。
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PCI Express通信をEthernetフレームでカプセル化することによって、PCI ExpressバスをEthernetで延長する仕組みをとる。NECは、ExpEtherを実装した機器を開発する産業機器メーカーに向けて、FPGAで使えるIPコアを提供している。
ExpEtherのメリットの1つは、PCI Expressインタフェースを数km以上に延長できることである。また、ネットワーク上に接続したPCI Expressのデバイスを、ソフトウェア制御で接続変更できる。さらに、PCI Expressのデータだけでなく、緊急停止ボタンのON/OFF信号や、同期のためのクロック信号、ユーザー独自の信号なども転送できる。
アドバネットは今回、NECが提供しているExpEtherのIPコアをFPGAに適用し、ExpEtherを運用するためのPCI接続カード製品を開発した。コンピュータ側に搭載するホストバスアダプタカード「AdEXP1587」と、PCI ExpressデバイスとEthernetをブリッジするスレーブカード「A3pci1586」(図2)である。ホストバスアダプタは、コンピュータのPCI Expressバスに挿して使う。スレーブカードは、PCI Expressカードを収容するラックに搭載し、PCI Expressカードを接続して使う。