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NEC、PCI Express機器を無線LANで接続するExpEtherコンポーネントを工場向けに提供

2019年11月26日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECは2019年11月26日、PCI Express仕様の周辺機器を無線LANを介してPCに接続できるコンポーネント製品を発表した。NECが開発したI/O規格「ExpEther」(エクスプレスイーサ)のIPコア(回路の設計情報)を、FPGAに適用するバイナリROMとしてライセンス提供する。工場などの劣悪な無線環境でも、FA機器の物理的な制約を超えて高信頼・低遅延の無線通信を提供できる、としている。価格は、個別見積もり。販売目標は、今後3年間でFA機器メーカーを中心に国内外で30社。

 ExpEtherは、PCI Express仕様の周辺機器をEthernet経由で利用できるようにする技術である(関連記事NEC、PCI ExpressをEthernet経由で利用するExpEther技術、FPGA向けにIPコア提供)。PCI Express通信をEthernetフレームでカプセル化することによって、PCのPCI ExpressバスをEthernetで延長する仕組み(図1)。この上でさらに、GPIO(汎用入出力)の信号も転送できる。

図1:ExpEtherの概要。PCI Express仕様の周辺機器をEthernet経由で利用できるようにする(出典:NEC)図1:ExpEtherの概要。PCI Express仕様の周辺機器をEthernet経由で利用できるようにする(出典:NEC)
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 ExpEtherを使うと、PCI Expressバスに接続する周辺機器を、LANケーブルやLANスイッチを介してPCに接続できる。NECでは、PCI ExpressとEthernetを変換するLSIを開発し、このLSIを搭載した製品として、PCに装着するホストアダプタ「ExpEtherボード」と、PCI Expressカード群を収容するボックス装置「ExpEther I/O拡張ユニット」などを用意している。

 NECはさらに、ExpEtherボードやExpEther I/O拡張ユニットを使わなくてもExpEtherを使えるようにするコンポーネント商品として、FPGA(Field Programmable Gate Array)向けのIPコア(回路の設計情報)を提供している。FPGAとIPコアによって、ExpEtherの機能を組み込んだ機器を比較的容易に開発できる。

 今回、FPGA向けの新たなIPコアとして、有線LANではなく無線LANを使ってPCI Expressを延伸できる「ExpEther無線IPコア」を用意した(図2)。物理的な制約からLANケーブルを敷設できない過酷な環境などにおいて、PCI Express接続の周辺機器をネットワークを介してPCに接続できる。

図2:無線LANを使ってPCI Expressを延伸できる「ExpEther無線IPコア」を新規に用意した(出典:NEC)図2:無線LANを使ってPCI Expressを延伸できる「ExpEther無線IPコア」を新規に用意した(出典:NEC)
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 対象のFPGAは、Intel Cyclone VE5CEA7。

●Next:工場でも高信頼・低遅延で通信できる独自の無線方式

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