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OKI、製造現場の検査工程をAI画像認識で省力化するシステム「外観異常判定システム」を販売

2021年6月1日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

OKI(沖電気工業)は2021年6月1日、製造現場の検査工程をAIを用いた画像認識によって省力化・自動化するシステム「外観異常判定システム」を発表した。同日販売を開始した。2021年9月から提供する。カメラで撮影した部品・製品の映像を解析し、製品の外観異常をリアルタイムに判定する。OKI本庄工場(埼玉県本庄市)で実施した実証実験では、製造工程全体の作業時間を15%削減できた。価格は、個別見積もり。販売目標は、今後3年間で10億円。

 外観異常判定システムは、製造現場の検査工程を、AIを用いた画像認識によって省力化・自動化するシステムである(図1)。カメラで撮影した部品・製品の映像を解析し、製品の外観異常をリアルタイムに判定、即座に結果を通知する。

図1:外観異常判定システムの概要(出典:沖電気工業)図1:外観異常判定システムの概要(出典:沖電気工業)
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 カメラで撮影した高精細映像を、OKIのエッジコンピュータ「AE2100」で解析する(関連記事OKI、ディープラーニング推論用エッジコンピュータ「AE2100」、Movidius VPUを搭載)。判定結果を含む検査画像、製品情報などの証跡データは、上位に位置する管理サーバーに蓄積し、品質管理や分析に活用できる。

 AE2100は、ディープラーニング(深層学習)の推論をエッジで処理する用途を狙ったコンピュータである。特徴は、CPU(Atom x7-E3950)のほかに、ディープラーニングの推論処理を実行する仕掛けを備えること。AIアクセラレータチップ「Intel Movidius Myriad X VPU」(最大2個)と、OpenVINOツールキットを搭載している。OKIのAIライブラリ(映像解析、波形解析、加速度解析など)も利用できる。

 OKI本庄工場の通信機器製造ラインで実施した実証実験では、高精細映像をローカル5Gネットワークで伝送し、AE2100で映像解析した結果、作業ミスの見逃しをゼロにできた。さらに、製造工程全体の作業時間を15%削減できた。これまで熟練を要した目視検査工程を自動化したことで、作業者の負荷も軽減できる。

 システムは、AIエッジコンピュータ、管理サーバー、現場端末の3種類で構成する。AIエッジコンピュータで、画像の前処理(背景差分での物体検知)と、画像解析による外観異常検知を実施する。管理サーバーでは、画像の判定項目を設定して解析モデルを生成する。製品情報と判定画像も管理サーバー上に保存する。現場端末では、判定結果を表示できる。エッジコンピュータと連携した工程制御などを実施できる。

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