[新製品・サービス]
AI Dynamics Japan、AIカメラに組み込んで使う20個のAIアルゴリズム集を販売
2021年8月31日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
AI Dynamics Japanは2021年8月31日、AIアルゴリズム集「Package20」を発表した。ソラコムのAIカメラ「S+ Camera」にインストールして利用する。同年10月末からソラコムのWebサイトでオンライン販売する。価格(税込み)は9800円。リリースに先駆け、全20個のうち3個のアルゴリズムを公開した。8月31日から10月31日まで無料で評価利用できる。
AI Dynamics Japanの「Package20」は、AIカメラやエッジデバイスなどで動作する、画像認識アプリケーション用のAIアルゴリズム集である(写真1)。顧客属性推定や物体検出アラートなど問い合わせの多いAIアルゴリズムや、コロナ禍でニーズが高いマスク着用検出やエリア滞在人数カウントなどのAIアルゴリズムなどを厳選して開発したという。AIを試験的に運用したいユーザーなどを対象に販売する。
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現時点では、ソラコムのAIカメラ「S+ Camera」にインストールして利用する形に限られる。今後、NVidia Jetson、Raspberry Piなどのエッジデバイスでも利用できるようにする予定である。これらのAIアルゴリズムを試し、より高度なAI活用に移行するユーザーに対しては、AIのコンサルティングサービスも提供する。
Package20では、人数のカウントやナンバープレートの読み取りなど、カメラ映像を画像解析するアルゴリズムを20個揃えた(表1)。また、製品リリースに先駆け、「滞在人数カウント」「物体検知アラート(乗り物)」「ラーメン種別推定」の3つのアルゴリズムを、評価用に公開した。これら3つのアルゴリズムは、2021年10月31日まで無料で提供する。デバイス(S+ Camera)へのインストールと設定はユーザー自身で行う必要がある。
名称 | 内容 |
---|---|
サンプル提供中のAIアルゴリズム(2021年10月末まで無料提供) | |
滞在人数カウント | カメラが捉えた人物をカウントし、通知する |
物体検知アラート(乗り物) | 乗り物(車、トラック、バイク、バス、自転車)を検出し、通知する |
ラーメン種別推定 | 4種(塩、醤油、味噌、豚骨)のうち、どの味のラーメンに近いか推定する |
2021年10月末にリリース予定のAIアルゴリズム | |
顧客属性判定 | カメラが顔を検出すると、年齢と性別を推定する |
通行量カウント | カメラの前を通過した人数をカウントする |
禁止エリア侵入検知アラート | カメラが指定区域内に人物を検出すると、通知する |
マスク未着用者検知アラート | カメラが人物を検知すると、マスク着用有無を通知する |
ナンバープレートOCR | 車両のナンバープレートを読み取る |
駐車台数カウント | カメラが捉えた車台数をカウントする |
段ボール検知 | カメラが段ボールを検出すると、個数を通知する |
ヘルメット検知 | ヘルメットの着用有無を検出し、通知する |
QRコード検知 | QRコードを読み取る |
滞在時間計測 | カメラが捉えた人物の滞在秒数を計測する |
動線分析 | カメラが捉えた人物の移動経路を記録する |
表情分類 | 顔を検出表情を推定する |
物体検知アラート(猫) | カメラが猫を検出すると、通知する |
物体検知アラート(犬) | カメラが犬を検出すると、通知する |
物体検知アラート(人物) | カメラが人物を検出すると、通知する |
物体検知アラート(トラック) | カメラがトラックを検出すると、通知する |
物体検知アラート(スマートフォン) | カメラがスマートフォンを検出すると、通知する |
滞在人数カウントや乗り物検知を試用可能
サンプル提供を開始した3つのアルゴリズムの内容を紹介している。「滞在人数カウント」は、S+ Cameraの標準レンズで、概ね5m範囲内のカメラが捉えた人数をカウントする。商業施設などにおいて、店内の混雑状況の把握や、従業員の配置計画の検討が行える。人数をカウントした結果は、ソラコムのクラウドサービスにアップロードする。
「物体検知アラート(乗り物)」は、S+ Cameraの標準レンズで、概ね10m範囲内のカメラが捉えた乗り物(車、トラック、バイク、バス、自転車)を検知する。検知した乗り物の数に変化があった時にメールで通知する。メール通知と同時に、ソラコムのクラウドサービスに台数情報とAI処理画像をアップロードする。宅配業者や、車での来客の到着時のアラートとしての活用を想定している。
「ラーメン種別推定」は、カメラが捉えた画像から、4種のラーメン(味噌ラーメン、塩ラーメン、醤油ラーメン、豚骨ラーメン)のうち、どのラーメンに近いかをAIが推定する。結果はソラコムのクラウドサービスにアップロードする。ラーメンではないもの(例えば人物の顔)を撮影し、どのラーメンに近いかを推定させるといった使い方もできる。