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オリゾンシステムズ、低価格のロードバランサー「LoadMaster」、NetFlow形式のフロー情報を出力可能
2021年10月25日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
オリゾンシステムズは2021年10月22日、ロードバランサー(負荷分散装置)「LoadMaster」(開発元:米Kemp Technologies)を販売すると発表した。NetFlow情報の生成・出力機能を搭載し、最安価モデルが数十万円の低価格で購入できることをアピールしている。
オリゾンシステムズの「LoadMaster」は、ロードバランサー(負荷分散装置)である。セッション維持機能(Cookie、SSLセッションID、IPアドレス、RDPログインIDなど)やSSLアクセラレータ、データ圧縮機能など、ロードバランサーに求められる主要な機能を一通り備える。提供形態は、ハードウェアアプライアンス、VMware仮想アプライアンス、SaaSの3種類を用意している。
価格に対する処理性能の高さをアピールしている。OSのアルゴリズムとLSIによるアクセラレーションによって、競合他社の同等価格製品と比較して3~4倍の処理性能があるとしている。可用性については、アプリケーションサーバーのヘルスチェックなどにより、トラフィックを常に安定したサーバーへとリダイレクトする。管理機能には、Web管理画面、PowerShell、Web API(REST API)などを介してアクセスする。
2021年4月からは、ネットワークトラフィックのフロー情報(送信元/送信先IPアドレスやポート番号、プロトコル番号などの通信統計情報)の1つであるNetFlowの生成・出力機能を追加。これにより、NetFlowを収集して可視化/分析できるツールなどを用いて、ロードバランサー(LoadMaster)を通過するトラフィックを分析できるようになった(図1)。
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上記の機能強化は、LoadMasterの開発元、米Kemp Technologiesが2020年11月にチェコ共和国のFlowmon Networksを買収したことが関係している。Flowmon Networksの主力製品「Flowmon」は、NetFlowなどのフローベースでネットワークトラフィックを監視・分析するアプライアンス製品。この買収によって、FlowmonでLoadMasterを監視できるよう、LoadMasterにNetFlow出力機能を追加している。国内販売元のオリゾンシステムズは以前からFlowmonを販売し、今回、LoadMasterを販売製品ラインアップに加えている。
オリゾンシステムズによる参考価格(税別)は、物理アプライアンスの最安価モデル「LM-X1」が54万円、仮想アプライアンスの最安価モデル「VLM-500」が36万円。いずれも、別途保守サポート契約が必須になる。