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三菱ガス化学、半導体の新素材探索精度をAIで向上、探索に必要な実験時間は30~50%短縮

2022年2月25日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

三菱ガス化学は2022年2月25日、半導体の新素材を探索する精度が、AIやデータ解析によって約50%向上することを確認したと発表した。また、新素材の探索に必要な実験時間が30~50%短縮することを確認したという。システムの要素として、日立製作所の「材料開発ソリューション」を活用している。

 三菱ガス化学の機能化学品事業部門は、AIやデータ解析を活用して新材料や代替材料を効率的に探索する手法である「マテリアルズ・インフォマティクス」(MI)に取り組んでいる(図1)。同社は今回、MIによって、半導体材料のうち目標性能を満たす新素材の探索精度が約50%程度向上することを確認した。また、新素材の探索に必要な実験時間が30~50%短縮することを確認した。

図1:AIやデータ解析を活用した素材開発のステップ(出典:三菱ガス化学、日立製作所)図1:AIやデータ解析を活用した素材開発のステップ(出典:三菱ガス化学、日立製作所)
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 最適組成探索のための仮想実験により、実験回数の削減や実験精度の向上を実現した。従来は、熟練者が手作業で、大量の原材料とその配合比率のパターンから新規の高機能ポリマーや半導体材料の条件探索をしており、工数がかかっていた。今回、MIを用いた仮想実験により、新素材に要求される特性を満たす素材の組み合わせの探索に成功。これまで人手での作業で膨大な時間を要していた新素材の条件探索が効率化し、開発期間を短縮した。

 電子顕微鏡画像と材料品質の関係性の定量化により、材料品質を安定化させた。これまでは、熟練者の経験をもとに、顕微鏡画像や目視観察などから材料の画像と品質の関係性を定性的に判断していた。このため、実験結果の再現が困難だった。今回、MIと画像解析技術を用いて、原材料の顕微鏡などの大量画像から材料性能の異常を自動識別することで、製品開発時の最終実験候補の組み合わせを従来手法の約半分程度の時間で見出すことに成功。同技術により、顕微鏡画像から材料品質を定量的に判断でき、製品開発時の品質が安定化した。

 研究計画、実験データ、研究プロセスの統一的な蓄積と利活用により、研究者間の情報共有を円滑化した。これまでは、実験が複数工程にまたがるため、研究計画と結果の関係性を把握することが困難だった。今回、実験データを管理するサービスを用いて、研究計画、実験データ、計画・承認・実行などの研究プロセスの統合化・可視化、研究者間での実験情報の共有を実現。これにより、研究における依頼・承認などのステータス管理や過去の実験データの検索が容易になり、新規樹脂開発の合成に関する実験管理時間を30~50%削減できた。

 なお、三菱ガス化学は2019年から、高屈折率レンズ材料など先端製品の開発に注力する機能化学品事業において、日立製作所を協創パートナーとして、研究プロセスの高度化と効率化に取り組んできた。今後も、MIを活用し、データの可視化と予測に基づいた素材開発を推進していく。2050年度のカーボンニュートラルの達成を目指す。

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