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貨物のケースマーク情報をOCRとAIで照合─シナモンの「Flax Scanner for Case Mark」
2022年7月11日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
シナモンは2022年7月11日、ケースマーク照合システム「Flax Scanner for Case Mark」を発表した。物流業界向けのシステムであり、輸出入する貨物の外装のケースマーク(荷印、シッピングマーク)と輸出入予定の貨物情報データベースのケースマーク情報を、専用のAI-OCRモデルと照合AIモデルを用いて自動で照合する。導入効果として、人的ミスによるクロスラベルの防止、業務負荷の軽減、後継者不足の解消などを挙げる。
シナモン(本社:東京都港区)は、シナモンAIのブランドで、AI-OCRやマシンラーニング(機械学習)、ディープラーニング(深層学習)関連の製品を開発するAIベンダーである。同社の「Flax Scanner for Case Mark」は、物流業務におけるケースマーク確認業務をAIで自動化するシステム製品である。導入効果として、人的ミスによるクロスラベル(ラベルの誤貼付)の防止、業務負荷の軽減、後継者不足の解消などを挙げる(図1)。
輸出入する貨物の外装に貼付されたケースマーク(荷印、シッピングマーク)をタブレットのカメラで読み取ると、貨物情報データベースから該当する貨物情報をAIが見つけ出し、候補を表示する。95%の読取精度と、照合候補5位以内で96%の照合精度をうたう。ケースマーク専用のAI-OCRモデルと照合AIモデルを利用している。
「多くの輸出入業務では現在、貨物に付いているケースマークと、貨物情報データベースに登録してあるケースマーク情報を、目視で確認している。もしケースマークを読み間違えてしまうと、クロスラベルによる配送の間違いを招いてしまうため、多くの企業では業務に精通した熟練者が復数人で確認している」(シナモン)。
同システムを使うと、経験やノウハウを持っている熟練者だけでなく、経験が浅い業務員でも高い精度で業務を実施できるとしている。また、作業者は、ケースマークを読み込んだその場で、貨物情報の作業指示を確認したり、カーゴラベルを印刷・貼付できるようになる。入庫前に貨物情報やカーゴラベルを印刷する必要がないので、ケースマークの照合作業に要する時間を短縮可能である。