[市場動向]

NTT、データを暗号化したままAIで学習・推論可能な秘密計算AIソフトウェアを開発

回帰、クラス分類、クラスタリング、データ次元圧縮が可能

2023年1月23日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NTTは2023年1月23日、データを暗号化したままAIで学習・推論可能な秘密計算AIソフトウェアを開発したと発表した。同ソフトウェアを試用可能なトライアルサービスも提供する。トライアル環境として、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)のシステム上で秘密計算AIソフトウェアを動作させる。

 NTTは、データを暗号化したままAIで学習・推論可能な秘密計算AIソフトウェアを開発した。同ソフトウェアライブラリを利用したプログラムは、Python言語で開発可能である。

図1:秘密計算AIソフトウェアを活用可能な、AI4大カテゴリの主要なアルゴリズム(出典:NTT、情報・システム研究機構国立情報学研究所)

 AIの4大カテゴリ(回帰、クラス分類、クラスタリング、データ次元圧縮)の主要なアルゴリズムによる学習・推論が可能である。具体的には、勾配ブースティング木、ニューラルネットワーク、階層型クラスタリング、主成分分析などを秘密計算で実行する(図1)。

 NTTは、データを暗号化したまま整列や分割操作を高速に行う技術や、浮動小数点演算を扱った実数演算などを効率よく実行する技術を開発している。今回、これらの技術をAIアルゴリズムにも応用した。

 開発したソフトウェアを試用可能なトライアルサービスを提供する。トライアル環境として、国立情報学研究所(NII)のシステム上で秘密計算AIソフトウェアを動作させる。提供期間は2023年1月末から2024年3月度までで、受付方法をNIIのWebページに記載している。

 NIIは、大学や研究機関の研究活動を支えるプラットフォーム「NII Research Data Cloud(NII RDC)」を2021年から運用している。研究データの活用を拡大するため、秘匿解析機能などを開発しており、要素技術として秘密計算技術の研究を進めている。

 NTTは以前から密計算技術の研究開発に取り組んでいる。秘密計算による統計処理に加えて、秘密計算でディープラーニング(深層学習)を行う技術をすでに実現している(関連記事千葉大学病院、臨床研究データを暗号化したままAIモデルを作成する研究を開始)。

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