IDC Japanは2023年3月28日、AIシステム市場におけるユースケース別の予測を発表した。AIシステムのグローバル市場は2023年に前年比26.9%増の1530億米ドルに達し、国内市場では前年比26.9%増の4931億円に達すると予測している。
IDC Japanは、AIシステム市場をユースケース別に予測した。AIシステムのグローバル市場は、2023年に前年比26.9%増の1530億米ドルで、国内市場は前年比26.9%増の4931億円に達する(図1)。
2022年の国内AIシステム市場は、ビジネスバイヤー/消費者のデジタルシフトが進む中で、アプリケーションソフトウェア/サービスへのAIの組み込みや、AIシステム基盤の活用が進展した。データ分析、業務自動化、顧客サービスへの適用など、AIの本格的な利用が、各種の産業分野で拡大した。
IDCは、AI機能を利用するアプリケーションソフトウェア/システム、AIワークロードを実行するハードウェア、AIシステム構築に関わるITサービスに関して、産業分野別およびユースケース別にAIの利用状況を分析し、5年間の予測を提供している。
この結果、国内AIシステム市場では、以下のAI利用方法が進んでいると分析している。具体的な利用方法が提案され、業務の自動化、高精度化だけでなく、顧客サービスの高度化などへの応用が進んでいるとIDCはみている。
- 小売:スマートビジネスオートメーション、エキスパートショッピングなど
- 組立製造:品質管理など
- 銀行:詐欺分析調査など
このような背景からIDCは、今後も国内AIシステム市場が拡大を継続すると予測している。企業/消費者のデジタルシフトによって、AIの利用方法の拡大やアプリケーション/サービスへのAI機能の組み込みが浸透するという。
「AIシステムは、社内業務だけでなく、顧客体験領域においても、ビジネス競争力の強化やあらゆる事業活動の精度を高めるためのツールとして利用が拡大する。さらに、大規模言語モデルの登場によって、AIシステムのユースケースの拡大は加速する」(IDC)
今回の発表は、IDC Japanが2023年3月に発行した「IDC Worldwide Artificial Intelligence Spending Guide」で詳細を報告している。同製品は、日本を含むグローバルな9つの地域における、AIシステム市場のセグメント別の2021年~2026年の実績と予測を提供している。