三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)は2023年4月11日、同社グループ従業員だけが使える、大規模言語モデルを活用したAIチャットツール「SMBC-GPT」の実証実験を開始すると発表した。SMBC-GPTは、大規模言語モデルとしてAzure OpenAI Serviceを利用し、Microsoft Azure上のSMBCグループ専用環境上に構築する。AIモデルの調整・最適化、システムインフラ整備などは、日本総合研究所(日本総研)とNECが担当する。
三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)は、SMBCグループ従業員だけが使える、大規模言語モデルを活用したAIアシスタントツール「SMBC-GPT」の実証実験を開始する。Microsoft Azure上にあるSMBCグループ専用環境上に、情報が社外に流出しないプロトタイプを構築する。大規模言語モデルとして、企業に求められるセキュリティやデータ保護を備えながらOpenAIと同じ技術を利用可能な「Azure OpenAI Service」を使う。
大規模言語モデルを活用することにより、従来のチャットボットと比べ、より高度かつ自然な文章を生成することが可能になる。従業員がSMBC-GPTにチャット形式で質問をすることで、文章の作成、要約、翻訳、ソースコードの生成などを手軽に行える。情報収集などにかかる時間が減り、生産性が高まることが期待できる。
AIモデルの調整・最適化、システムインフラ整備などは、日本総研とNECが担当する。SMBCグループの独自情報について回答できるようにすることに加えて、AIモデルを調整して回答精度を高める。また、従業員の幅広いニーズをカバーする汎用的なAI学習を実現するためのシステムインフラを整備し、自然言語処理だけではなく、画像認識、音声認識、開発高度化などの分野でも活用できるように機能を拡張し、同ツールを複数分野に活用できる金融AIへと推し進めていく。
具体的な開発意向として、顧客が希望する手続に対し、従業員がSMBC-GPTを使い、顧客に迅速に案内可能になるツールなどの開発を進める。また、AIが収集・分析した市場動向や外部環境などの情報を活用し、各種企画資料や顧客への情報提供資料の作成をサポートする。
SMBCグループでは、「AIが回答した内容が正確かどうかは従業員が判断する」ことを徹底するとともに、「外部AIの利用を禁止」していることを、改めて社内研修などを利用して従業員に伝えていくとしている。同時に、AIに関する規制などの最新動向を踏まえ、社内の規程・ガイドラインを順次見直ししていく。
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