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明治安田生命、コールセンターに寄せられた問い合わせを自然言語処理AI「BERT」で分類

2023年5月10日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

明治安田生命保険(以下、明治安田生命)は、コールセンターなどへの問い合わせを分類する業務に、自然言語処理AI「BERT」を適用した。業務の負担を軽減するのが狙い。テキストデータ分類ソフトウェア「活文 知的情報マイニング」を提供した日立ソリューションズが2023年5月10日に発表した。

 明治安田生命は、コールセンターなどに寄せられた問い合わせや質問をカテゴリ別に分類して集計している。しかし、これまでは、決められたカテゴリへと的確に分類する業務に、多くの手間がかかっていた。原因の1つは、同じ分類でも、問い合わせによって言葉や文章表現が異なることである。また、問い合わせには顧客情報も含まれるため、セキュリティの担保も必要である。

図1:「活文 知的情報マイニング」を活用した問い合わせ分類のイメージ(出典:日立ソリューションズ)
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 こうした課題を解消するため、問い合わせを分類する業務に、自然言語処理AIを適用した(図1)。このためのツールとしてテキストデータ分類ソフトウェア「活文 知的情報マイニング」を導入した。これにより、分類精度が向上し、業務負担が減った。また、AIを活用することで、個人のスキルに依存することなく分類精度を均一化できるようになった。

 導入前にはPoC(検証テスト)を実施し、分類精度を確認した。すでに分類してある過去のテキストデータ約6万件を、教師データとして使った。現在では、現場の職員自身でほかの業務にも適用範囲を拡大できるように、独自のWeb画面を追加で開発済み。Web画面を介して、分類モデルの作成や分類するファイルの指定が可能である。

 自然言語処理AIのツールとして導入した「活文 知的情報マイニング」は、報告書やマニュアルなど大量の業務文書をAIで解析し、文章を構成する特徴的なキーワードを自動抽出するとともに、文書ファイル同士の関係を可視化するソフトウェアである(関連記事日立ソリューションズ、文書ファイル分類ソフト「活文 知的情報マイニング」に新版、BERT採用で分類精度を向上)。

 米Googleが開発した、自然言語処理分野で事前学習モデルを作成するための手法「BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)」を採用している。Web上に公開されている大量の文章で事前学習したモデルに、少量の教師データを追加学習させるだけで利用可能である。

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