積水ハウスの総合住宅研究所は、ファイルサーバーの容量を可視化/分析するシステムをリプレースし、管理システムのランニング費用を80%削減した。刷新後のファイルサーバー容量可視化システム「ZiDOMA data」を提供したARアドバンストテクノロジ(ARI)が2023年5月10日に発表した。
積水ハウスの総合住宅研究所は、住宅の基本性能の検証や評価などを行う研究開発拠点である。約60人が勤務している。業務上、画像や動画などファイルサイズの大きいデータを扱うことから、積水ハウスが全社で使っているものとは別に、独自のファイルサーバー2台(物理サーバー1台と仮想サーバー1台)を運用している。
同研究所では、ファイルサーバーの容量肥大化を抑制する手段として、ファイルサーバーの容量を可視化/分析するシステムを2011年から使ってきた。しかし、最初に導入したシステムは、運用費用に対して一部の機能しか利用しておらず、無駄が生じていた。これを今回リプレースした。
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2022年春、新システムとして、ARアドバンストテクノロジ(ARI)の「ZiDOMA data」を導入した(画面1)。システムのリプレースによって得られた効果として、従来システム比で年間のランニングコストを80%削減した。従来システムよりも機能は少ないが、運用面で無駄がなく、必要充分だとしている。ストレージ数とファイル数も無制限であり、定額の年間費用だけで使える。
ZiDOMA dataは、ファイルサーバーの利用状況を可視化し、肥大化を抑制する。対象とするファイルサーバープロトコルは、CIFS/SMBと、オブジェクトストレージ(Amazon S3互換)である。
特徴の1つは、肥大化の原因をドリルダウン操作で分析できること。ファイルサーバー内のディレクトリをツリー形式で表示し、各ディレクトリのサイズを表示する。サイズが大きいディレクトリをドリルダウンしていくことで、肥大化の原因を特定可能である。
容量を、ファイルの所有者、拡張子、ファイルサイズ別に表示する機能も持つ。これにより例えば、「ファイルサイズが大きい種類のファイルを優先して整理する」といった運用がとれる。効率よく肥大化への対策を行なえる。
ファイルの作成・更新・アクセス日時からの経過時間を色の濃淡で表示する機能も持つ。これにより、使用状況を視覚的かつ直感的に把握可能である。未使用ファイルのリストも作成可能であり、ファイルの整理(削除)に役立つ。