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[新製品・サービス]

Googleサービスに生成AIを組み込む「Duet AI」がGoogle Workspaceに対応、文章作成やコーディングを支援

2023年5月17日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

グーグル・クラウド・ジャパンは2023年5月17日、米グーグルの開発者コンファレンス「Google I/O 2023」で発表した内容について説明した。Google Cloudのクラウドサービス全般で生成AIを使えるようにする。各サービスに生成AIを組み込める「Duet AI」で、グループウェア「Google Workspace」、ローコード開発ツール「AppSheet」などをサポートした。また、クラウド型AI開発プラットフォーム「Vertex AI」でも生成AI機能が使えるようになる。

 グーグル・クラウド・ジャパンは、開発者コンファレンス「Google I/O 2023」で発表した内容について説明した。Google Cloudのクラウドサービス全般で生成AIを使えるようにする(図1)。

図1:Google Cloudのクラウドサービス全般で生成AIを使えるようにした(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)
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Google Workspaceで生成AIが利用可能に

 Google Workspaceで利用可能な生成AIとして、「Duet AI for Workspace」を発表した。Duet AI for Workspaceの1つが文章を生成する「Help me write」機能であり、2023年3月からプライベートプレビューという形で提供している(図2)。

図2:Duet AI for Workspaceの1つで文章を生成する「Help me write」機能の概要(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)
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 Help me writeを使うと、GmailやGoogleドキュメントの画面で、自分が書きたいと思っている内容について数文字入力するだけで、すぐに下書きを自動で生成してくれる。提案書やメールの返信文などの作成に役立つ。文章作成において時間がかかる最初の取りかかりを省力化する。

 さらに、生成した下書きのトーン(雰囲気)をワンクリックで変更する機能も備える。TPOや送信相手に応じて文章の伝え方を調整可能である(図3)。

図3:Help me write機能は、生成した下書き文章のトーンをワンクリックで変更する機能も備える(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)
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 Duet AI for Workspaceの新機能に、Googleスライドに組み込んだ機能で画像を生成する「Help me visualize」がある。テキストを数文字入力するだけで、画像を自動生成する。プレゼンテーション資料の作成時に画像を探す手間を省力化する(図4)。

図4:Duet AI for Workspaceの1つでGoogleスライド内で画像を生成する「Help me visualize」機能の概要(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)
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 Duet AI for Workspaceの別の新機能に、Googleスプレットシートに組み込んだ「Help me organize」がある。シート内のデータを分析したり、自動で分類したりといったことが可能になる。ユーザー個人のリテラシーに依存することなく、データ駆動型の働き方にシフト可能だとしている(図5)。

図5:Duet AI for Workspaceの1つでGoogleスプレットシート内でデータの分析や分類などを支援する「Help me organize」機能の概要(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)
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 また、ノーコード開発ツールの「AppSheet」でも、生成AIにより、チャットを介してアプリを作成できるようになった(Duet AI for AppSheet、図6)。従来の開発で必要だったWebhookやAPIなどの技術的な知識を持たないユーザーでもチャット連携アプリが作れるようになった。

図6:AppSheetにおいても、生成AIを用いたGoogle Chatとの連携アプリをノーコードで作成できるようにした(Duet AI for AppShee(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)
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生成AIの組み込みを支援「Generative AI App Builder」

 開発者向けの機能強化では、開発するアプリケーションに生成AIを容易に組み込めるツール「Generative AI App Builder」をプライベートプレビューとして提供開始した。生成AIの典型的なユースケース(チャットと会話)をカバーする機能として「Conversational AI」と「Enterprise Search」の2製品を提供している。

 これらを活用して開発したアプリの例として、チャットベースで自転車を購入可能なアプリの具体的なイメージを紹介した。

 顧客がアプリの画面で「トライアスロンをしながら通勤でも使える自転車を探している」と話しかけると、AIが自転車販売のエキスパートとして相談に乗る仕組みである。顧客の要望に合わせて、いくつかの自転車を提示する。

 ユーザーは、AIが提示した中から2つ目の自転車が気に入り、すでに持っている手持ちの自転車と比較するために、手持ちの自転車の画像をチャット画面にアップロードする。AIは、画像を読み取って自転車の型番を把握し、提示した自転車との比較表を提示する。

 比較表に載っていない情報として顧客はフレームの素材について質問する。AIは「残念ながら商品カタログには情報がなかったが、一般的な回答としては」という形で会話を続ける。ユーザーが後日アプリを訪問した際には、前回までの相談の続きから会話を再開する。実際に商品を購入する場合は予約システムと連携して予約する。

●Next:Vertex AIで提供する生成AI機能

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