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中央電力、AIによる要約・感情分析・FAQ生成でカスタマーセンターの品質を高める実験

2023年7月14日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

中央電力(本社:東京都千代田区)は2023年7月13日、生成AIをカスタマーセンターで利用する実証実験を開始したと発表した。応対内容の要約、感情分析、応対履歴との類似性の分析、FAQの生成などに取り組む。本稼働時には、同社のカスタマーセンターに加えて、運用業務を受託している他の電力・ガス関連企業10社のカスタマーセンターでも採用したいとしている。

 中央電力は、生成AIをカスタマーセンターで利用する実証実験を開始した。応対内容の要約、感情分析、応対履歴との類似性の分析、FAQの生成などに取り組む(図1)。本稼働時には、同社が提供するサービスのカスタマーセンターに加え、運用業務を受託している他の電力・ガス関連企業10社のカスタマーセンターでも採用する予定である。

図1:中央電力が取り組む、生成AIをカスタマーセンターで利用する実証実験の概要(出典:中央電力)
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 同社は、自社サービスであるマンション一括受電サービス(約2200棟、約17.5万世帯)および電力小売事業(約8000契約)のカスタマーセンターを運営している。また、カスタマーサポートを含む運用業務や保守業務を、他の電力小売・一括受電サービス企業や大手LPガス関連企業など10社から受託している。

 同社のカスタマーセンターでは、応対マニュアルやリーダーによるフォロー体制などを活用し、迅速かつ正確な応対に努めてきた。今回さらに、経験や知識が豊富なオペレーターの回答を学習させた生成AIを利用し、カスタマーセンター全体の応対品質の水準を引き上げる。メンバーの交代があっても水準を落とさず継続して運用していけるようにする。

 実証の第1段階では、応対内容をテキスト化したものをAIに要約させる。前提として、カスタマーセンターのオペレーターには、応対終了後に応対履歴を登録する業務がある。この登録業務は、平均5分程度かかっている。また、応対履歴を登録する詳細度合いは、オペレーターによってばらついている。AIに要約させることで、オペレーターの応対履歴登録にかかる時間を短縮し、応対履歴の詳細度合いを標準化する。

 実証の第2段階では、応対内容から、顧客の感情や過去の応対履歴との類似性を分析する。分析結果をもとに、顧客が言葉には出さない潜在的ニーズへの気づきが得られる。顧客満足向上につながるアクションをとれるようになる。

 実証の第3段階では、これまでの応対履歴を学習させた生成AIに、FAQ(よくある質問と回答)を生成させる。電話応対中のオペレーターが問い合わせ内容を打ち込むと、生成AIが適切な回答を提示する。オペレーターがリーダーのフォローを受けるケースが減少し、すべてのオペレーターが迅速・正確に応対できるようになるとしている。

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