[調査・レポート]

国内のAI画像認識市場は年16.7%で持続的に成長、人物判定用途が好調─デロイト トーマツ ミック研

2023年9月11日(月)IT Leaders編集部

デロイト トーマツ ミック経済研究所は2023年9月8日、ディープラーニング(深層学習)を用いたAI画像認識分野の製品・サービスを対象に、市場規模調査とトレンド分析の結果を発表した。同市場規模は、2022年度が前年比118.6%の315億円で、2023年度は前年比119.4%の376億円となる見込み。2027年度まで年平均16.7%で成長を続け、市場規模が680億円に達すると予測している。

 デロイト トーマツ ミック経済研究所は、ディープラーニング(深層学習)を用いたAI画像認識分野の製品・サービスを対象に、市場規模調査とトレンド分析の結果を発表した。主要ベンダー50社を調査して数値を積み上げ、その他ベンダーを含めた全体(50社・81製品・サービス)を推計している。

 市場規模は、2022年度が前年比118.6%の315億円で、2023年度は前年比119.4%の376億円となる見込み。2027年度まで年平均16.7%で成長を続け、市場規模が680億円に達すると予測している。

図1:用途別に見た、AI画像認識における製品・サービス市場の中期予測(2021~2027年度)(出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所)
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 用途別では、人物判定の用途が伸びており、従業員管理やセキュリティなど“守りのDX”への投資が活発化しているという。2022年度は対前年比127.3%の116億円で、2023年度は対前年比124.6%の144億円と予測している。

 物体判定の用途は、2022年度に対前年比114.0%の199億円と市場の6割を占める。また、最大の市場である不良品検知の用途については、成長は鈍化傾向だが、自動運転支援や車両管理などの自動車関連用途は好調という(表1)。

表1:AI画像認識における活用用途の例(出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所)
用途 活用用途(一例)
人物判定 店舗顧客分析 来客者の属性データ分析やPOSデータとひもづけた購買行動分析などのマーケティングデータ収集
防犯・セキュリティ 防犯カメラによる不審者検知
顔認証によるセキュリティゲートの開閉
人流解析・混雑度把握 人流解析による混雑度把握
施設内での動線分析
通行者分析
従業員管理・安全・作業分析 顔認証による勤怠管理
現場従業員の安全行動管理
動態最適化
作業手順分析
その他(人物判定) 採用面接の動画分析、イベント参加者の感情分析など
物体判定 不良品検知 製造工場における外観検査
青果の選果
設備保守・点検 インフラ設備の点検
機器・設備の点検
類似画像検索 データベース検索
レコメンド
診断補助 医療現場における診断補助
障害物検知・自動運転支援 作業場内の障害物検知
自動運転車両に搭載したカメラによる障害物検知やドライバーモニタリング
車両・個数管理 車番とゲートの連動
駐車状況モニタリング
在庫・収穫量管理
その他(物体判定) 産業用ロボットの作業エリア認識、農業における作付け状態把握、病害虫判定など

●Next:人物判定や物体判定用途の内訳、背景

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