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重電メーカーのダイヘン、調達・購買システムを刷新、サプライヤーの選定負荷を軽減

2023年10月2日(月)IT Leaders編集部

変圧器や産業用ロボットなどを製造する重電メーカーのダイヘン(本社:大阪市淀川区)が調達・購買システムを刷新した。TISの調達・購買アプリケーション「LinDo購買」を導入して取引先情報の一元化と見積業務の高度化を図り、見積もりを元にサプライヤーを選定する際の負荷を軽減した。TISが2023年9月29日に発表した。

 ダイヘンは、大阪市淀川区に本社を置いて変圧器や産業用ロボットなどを製造する重電メーカーである。約200社の主要サプライヤーとの間で部材や材料の情報をタイムリーに共有し、迅速な調達によって製品の製造を行っている。

 これまでの調達業務では、社内の技術部門から部品の要望を受けてサプライヤー候補を検討し、見積もりを元に選定していた。その際、サプライヤーから受け取る見積書が紙ベースのうえ、各社が異なるフォーマットであるため比較が困難だった。また、見積もりの詳細確認に電話とメールのやり取りが何度も必要で、サプライヤーの選定にかなりの期間を要していたという。

 同社は、これらの問題を解決するため、2020年にTISの調達・購買アプリケーション「LinDo購買」を導入し、購買システムを刷新した。オンライン上の見積依頼が可能なこと、個々の購買担当者に属人化していた見積査定の状況を全社で共有できることの2つを満たしていたことから採用した(図1)。

図1:ダイヘンが構築した調達システムの全体像(出典:TIS)
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 2020年12月に導入プロジェクトを開始し、まず、見積フォーマットを標準化。加えて、為替の動き、電気料金の変動、材料費の市況変化といった各種のコスト変動要因を共通コードとして補足入力する機能を実装した。

 その後、基幹システムとの連携を図り、2021年9月に、見積依頼や回答を受け持つ「ソーシングシステム」が稼働。2022年10月には、購買依頼・発注・受入等を担う「パーチェシングシステム」が稼働開始した。

 導入効果として、詳細項目で構成する共通の見積テンプレートが完成したことで、サプライヤーとのコミュニケーションが円滑になった。サプライヤーの見積入力で各詳細項目のコストに変動があるような場合、事前に定めたコスト変動要因のコードを付記する。このコードを共通言語として、コスト変動の理由を把握できるようになった。この結果、電話やメールでのやり取りが減った。

 各サプライヤーの見積データをポータルで容易に活用できるようになった。各種コストの変動の上昇/下降傾向を見ることで、見積査定の精度が向上した。以前は、見積依頼担当者が不在の日は進捗状況の確認が困難だったが、導入後は全社からLinDo購買にアクセスして進捗を確認できるようになった。

 加えて、複数セグメント間でサプライヤー情報を一元化できたことが大きいという。これまでダイヘンでは、3つのセグメント(電力機器、半導体関連機器、溶接メカトロ)それぞれで独自に選定したサプライヤーと取引を行ってきたが、サプライヤー情報が集約されたことで、セグメントに関係なくサプライヤーの検索が可能になった。同じ部材を扱うサプライヤーの選択肢が拡大し、安定供給につながっているという。

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