[新製品・サービス]
Azure OpenAI Serviceで大規模言語モデルをファインチューニング可能に
2023年10月23日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
日本マイクロソフトは2023年10月23日、説明会を開き、生成AIに関する最近の取り組みを紹介した。最新のトピックとして、10月23日週にAzure OpenAI Serviceでファインチューニング可能な大規模言語モデルをパブリックプレビューとして提供開始する。なお9月には、AIアシスタント機能「Copilot」で生成したアウトプットについて第三者から著作権侵害で訴えられた際に同社が金銭面などを補償する「Copilot Copyright Commitment」を発表している。
日本マイクロソフトは、生成AIに関する最近の取り組みを紹介した。最新トピックとして、2023年10月23日週に、Azure OpenAI Serviceにおいて、ファインチューニング可能な大規模言語モデル(LLM)をパブリックプレビューとして提供開始する。対象となるLLMは、GPT-3.5-Turbo、Babbage-002、Davinci-002である(図1)。
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ユーザーは、対象のLLMをベースに独自のデータを学習させてカスタマイズしたモデルを、Azure OpenAI Service上で作成してデプロイ可能である。自社の要件に合わせてチューニングした専用のモデルを使うことで、汎用のモデルよりも精度の高い出力が得られるようになる。
また、Azure OpenAI Serviceでは、同年10月16日週にアプリケーションやサービス内の有害なコンテンツを検出する機能「Azure AI Content Safety Service」の一般提供を開始している。暴力、憎悪、性的、自傷行為の4つのカテゴリー別に、4段階の重大度レベル(安全、低、中、高)に分類する。
生成AIによる著作権侵害を金銭補償
2023年9月には、マイクロソフトのAIアシスタント機能「Copilot」で生成したアウトプットが第三者から著作権侵害で訴えられた際に、同社が金銭面などを補償するプログラム「Copilot Copyright Commitment」を発表している。画像生成AIで生成した画像が既存の著作物に似ているケースなどを想定している(図2)。
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Copilotの成果に関して訴訟を起こされた場合に、マイクロソフトがユーザーを弁護し、金銭面で不利が生じた場合は同社がこれを支払う。同プログラムは、既存の知的財産保護のサポートを、Copilotサービスの有料版に拡大したものである。