三菱電機は、20年以上の運用で老朽化が進んだ社内の標準ワークフローシステムを刷新した。住友電工情報システムの「楽々WorkflowII」を導入し、ノーコードで画面や承認経路などを設定するエンドユーザーによる市民開発に取り組んだ。2年半でグループ全体でユーザー数が10万人以上に達したという。住友電工情報システムが2023年12月26日に発表した。
三菱電機は、社内の標準ワークフローシステムを刷新した。旧システムは20年以上前のフレームワーク(ソフトウェア開発部品)で構築したもので老朽化が進んでいた。「スマートフォン対応などの機能の追加が難しく、拠点ごとにサーバーを設置しなければならないことも難点だった」(同社)という。
そこで、住友電工情報システムの「楽々WorkflowII」(画面1)を導入してシステムを刷新。2020年8月に導入を開始して、同年11月に運用を開始した。申請書の画面や承認経路などワークフローの機能をノーコードで容易に構築できる点が採用時に評価された。「当初から、導入の手間をいかに削減するかを念頭に、各部門や各拠点が主導で開発する、市民開発によるシステム展開を指向していた」(同社)。また、組織構造が複雑な大企業に合わせて、承認経路や承認権限を柔軟かつ細かく設定できる点も採用の決め手になったという。
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三菱電機はエンドユーザーによる市民開発で新ワークフローシステムを展開。運用開始から約2年半後、三菱電機の53拠点、関係会社61社、約10万人以上が利用する。2023年4月時点で発行された申請書は1万種類、文書数は228万件に上るという。
市民開発推進の過程では、楽々WorkflowII専用の情報共有サイトを設置し、製品のガイドラインやマニュアルなどのコンテンツを集約するなど情報発信に努めたという。特に、操作方法やワークフローの作成方法などを学べる動画コンテンツの制作に力を入れ、動画の総再生回数は1万回以上という。
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