[事例ニュース]
第一三共、生成AIシステムを構築、国内グループ全社員約9300人で利用
2024年4月8日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
第一三共(本社:東京都中央区)は、生成AIシステム「DS-GAI(ディーエス・ガイ)」を構築し、国内グループ会社の全従業員約9300人を対象にリリースした。2023年9月のリリースから2カ月で1日あたりの平均利用者数が約500人に達するなど、速いペースで社内定着が進んでいる。AIにはAzure OpenAI Serviceを使っている。システムの構築・導入を支援したアバナードが2024年4月5日に発表した。
第一三共は、生成AIシステム「DS-GAI(ディーエス・ガイ)」を構築し、2023年9月に国内グループ会社の全従業員約9300人を対象にリリースした。リリースから2カ月で1日あたりの平均利用者数が約500人に達するなど、速いペースで社内定着が進んでいる。AIにはAzure OpenAI Serviceを使っている。
初期システムのリリース後は、ユーザーインタフェースの改修や機能追加などを継続的に実施している。2023年10月からは、GPT-4を使えるようにしたほか、画像生成、ファイル解析、社内データセット解析、Code Interpreter(コード生成)、管理機能などを順次追加・強化した。
DS-GAIの定着を目的に、ユーザー教育や啓発活動にも取り組んだ。例えば、有識者を招いた社内講演会の開催や、アイディア創出ワークショップを継続的に開催した。DS-GAIの使い方を教える動画も配信した。また、社内のユースケースやプロンプトテクニックなどを集約した特設サイトを社内で運営している。
複数のユースケースが生まれている。「アイディア出し、コーディング支援、文章作成、学習、分析など、広い領域で活用が進んでいる」(同社)。2024年2月に実施した社内講演会では、DS-GAIを活用している社員7人が登壇し、各組織における活用事例を発表した。
「プログラミング知識を持たない社員が自身でアプリケーションをカスタマイズしたり、ちょっとしたイラストを作ったりしている。これまで外注していた成果物を自身で作るようになるなど、当初の想定を超えたユースケースがあった」(同社)。
今後は、Azure AI Studioを活用し、まだ使っていない各種の大規模言語モデルを利用する予定である。また、ファイルや社内データセットを解析する機能を、より使いやすくする。さらに、個別の業務に合わせたファインチューニングや、業務特化型のユーザーインタフェース、社内業務システム連携なども図っていく。