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[調査・レポート]

国内グリーントランスフォーメーション市場は2027年度まで年平均79%で急拡大─ITR

TCFD開示義務化を背景にサステナビリティ経営が本格化

2024年4月24日(水)IT Leaders編集部

アイ・ティ・アール(ITR)は2024年4月23日、国内のグリーントランスフォーメーション(GX)市場における規模の推移と予測を発表した。2022年度の売上金額は前年度2倍の25億円に拡大し国内において市場を形成、2023年度も市場規模が倍増するという。2022年度~2027年度のCAGR(年平均成長率)は79%と急拡大のペースで、2027年度には460億円に達すると予測している。

 アイ・ティ・アール(ITR)は、国内のグリーントランスフォーメーション(Green Transformation:GX)市場における規模の推移と予測を発表した。

 調査にあたって同社は、GX市場対象を「サプライチェーン全体にわたる温室効果ガス(GHG)排出量の算出や可視化を支援する製品・サービス」と定義し、データ収集機能、排出削減対策支援、規制対応、各種関連報告書の作成などの機能を含むとしている。また、調査では温室効果ガス以外にも、水使用量、給水・排水量、廃棄物の排出量などの幅広い項目を管理対象としている一部の製品・サービスを含めている。

 2022年度の売上金額は前年度2倍の25億円に拡大し国内において市場を形成、2023年度も市場規模が倍増するという(図1)。

図1:グリーントランスフォーメーション市場における規模の推移と予測(2021~2027年度予測)(出典:アイ・ティ・アール)
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 ITRは急成長の背景として、2022年4月に再編された東京証券取引所のプライム市場において、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく情報開示が義務化されたことを挙げている。また、温室効果ガスなどの排出量を算出して具体的な削減数値や活動を示すことが企業価値の向上につながるとして認知度が高まっているという。

 世界的にもGXに関連する法改正が進みつつあり、参入ベンダーも増えていることから大幅な市場拡大が続くとしている。2022年度~2027年度は79%の高いCAGR(年平均成長率)で急成長を続け、2027年度には460億円に達すると同社は予測している。

 ITR シニア・アナリストの入谷光浩氏は、企業のサステナビリティ経営において、温室効果ガス排出量の算定と可視化への取り組みが本格化しつつあることを指摘している。

 「国際的には自社の排出量のみならず、サプライチェーン全体を対象とするScope3排出量(注1)の開示の義務化が進んでおり、日本企業も対応が迫られてきている。サプライチェーンから多くの関連データを収集して排出量を算定するツールやサービスの活用が不可欠となる。こうした動きは、東証プライムの上場企業以外の企業にも広がり、今後市場は大きく拡大すると見られる」(入谷氏)

注1:サプライチェーンのカーボンフットプリント算出におけるScope3は、製品の原材料の調達から製造、販売、消費、廃棄に至る事業者活動において排出される温室効果ガスの量(間接排出量)を指す。このScope3と、Scope1(自社における温室効果ガスの直接排出量)とScope2(自社で利用した電力や熱などの間接排出量)を合わせた排出量がサプライチェーン排出量となる。

 今回の発表は、市場調査レポート「ITR Market View:予算・経費・サブスクリプション管理市場2024」に基づく。同レポートは、連結会計、経費精算、予算管理、IBP(Integrated Business Planning)、サブスクリプション管理、GXの全6分野を対象に、国内59ベンダーへの調査から、2021~2022年度売上実績および2027年度までの売上予測を掲載している。

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