エクサウィザーズは2024年5月13日、AIシステム開発ツール「exaBase Studio」のテンプレートとして、AIの回答品質を自社の運用で継続的に改善する「RAGOps」を同年5月から提供すると発表した。品質が高い回答をキャッシュする一方で、品質が低い回答についてはオペレーターが回答を行う仕組みを提供する。入力した回答はデータベースに蓄積され、以降の回答に利用する。回答の品質が求められる用途で活用できるとしている。
エクサウィザーズは、AIシステム開発ツール「exaBase Studio」のテンプレートとして「RAGOps」を発表した。2024年5月から提供する。
社内文書などをナレッジにして回答を生成するRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)構成の生成AIシステムにおいて、AIの回答品質を自社の運用で継続的に改善する仕組みを提供する(図1、関連記事:エクサウィザーズ、AIアプリの内製開発を支援するノーコードツール「exaBase Studio」)。
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RAGOpsは、生成AIの回答へのユーザーの満足度などの情報をフィードバックする仕組みを持つ。ユーザーの評価が高い回答を「キャッシュDB」に蓄積することで、類似の問い合わせに対しては大規模言語モデル(LLM)にアクセスせずにキャッシュを利用して迅速に回答する。
一方、回答に満足できなかった際は、人間のオペレーターによる回答を促せる。オペレーターからの回答は「アンサーDB」に蓄積され、RAGが参照するデータとして以降の回答に利用する(画面1の左)。
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この仕組みの下、業務データに関する回答品質を社内で継続的に改善できる。「専門文書や営業知見の管理、社内外の問い合わせ対応など、回答の品質が求められる用途において生成AIを活用できるようになる」(同社)としている。
また、RAGシステムにアップロードする社内文書にはアクセス権限を設定でき、生成AIに問い合わせるユーザーの権限に応じて、RAGが参照するデータを制御する。ユーザーの所属部署・職階などに応じて、適切なデータのみを利用して回答を生成する(画面1の右)。