エクサウィザーズは2022年5月11日、AIアプリケーション開発ツール「exaBase Studio」を発表した。ユーザー企業によるAIアプリケーションの内製が可能としている。あらかじめ複数のAIアプリケーションやAIアルゴリズムを用意しているほか、外部のAIモデルなども統合しながら、GUI操作でAIアプリケーションを開発できるようにしている。2022年度下期にパイロットプロジェクトを実施し、2023年度の製品出荷を予定する。
エクサウィザーズの「exaBase Studio」は、AIアプリケーションの設計・開発を支援する開発環境である。ユーザー企業によるAIアプリケーションの内製が可能としている。機能を示す各コンポーネントの画面上でのドラッグ&ドロップなどノーコード型で設計・開発可能である(図1)。
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従来はエンジニアがアプリケーションを設計・開発していたが、exaBase Studioを使うと、現場業務に精通した事業部門や経営者、専門家やUXデザイナなどが、設計・開発に携われるようになる。現場主導の形で、社内データを活用した分析や処理設計、これらを実行するための条件設計、結果を確認するためのUI設計などが可能になる。
実行環境を自動で構築する点も特徴である。従来は、AIモデル、ソフトウェア、UIなどを個別に実行環境上に設定し、性能や安定性、セキュリティなどを考慮したインフラを構築する必要があった。exaBase Studioでは、業務に必要なこれらの要素を組み合わせて設計したうえで、システムの設計図を自動的に生成。指定したクラウドサービス上にAIモデルやUIなどを自動で構築する。
同社は、500社超の顧客に提供してきた技術アセットを「exaBase」として再利用可能な形で蓄積済み。例えば、分析・予測、情報検索、エッジカメラなどのアプリケーションや、予測・分析、最適化、画像解析、音声解析、文章解析、ロボティクスなどのAIアルゴリズムがある。これらを、exaBase Studioでのソフトウェア開発に活用できる。
exaBase Studioは以下のコンポーネントで構成されている。
- Palette:「利用可能なAI、UI、ソフトウェアの各コンポーネントの一覧を表示するツール
- Canvas:Paletteから各コンポーネントを選択して配置することで、データ処理の内容、処理の実行条件、結果の可視化方法を設計するツール。この内容は、専用の設計図「exaBase Blueprint」として出力する
- exaBase Blueprint:は、データの処理内容や利用するAIモデル、処理の実行条件、結果の可視化の方法などを定義した設計図
- Constructor:exaBase Blueprintで定義したアプリケーションの実現に必要な、クラウドインフラの構築、データソースとの連携、データ処理機能の構築などを自動で行うツール
- exaBase Machine Learning API:Paletteに対して実行可能なAIモデル一覧を提供するとともに、Constructorが出力したクラウドインフラに対して、AIモデルを動的に統合し実行・結果取得するための機能をAPIとして提供