アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は2025年5月16日、説明会を開き、生成AIサービス「Amazon Bedrock」および「Amazon Q」に関する直近の発表内容を説明した。Amazon Bedrockでは、選択可能なAIモデルが増えたほか、ユーザー自社のカスタムAIモデルを取り込んで利用できるようになった。適切なAIモデルを選択するためのモデル評価機能も用意した。有害なコンテンツを表示しないように制御するガードレール機能も提供を開始した。
AWSジャパンの「Amazon Bedrock」は、AIベンダー各社が提供している複数の基盤モデル/大規模言語モデル(LLM)を、共通のAPI(Amazon Bedrock API)を介して利用できるクラウドサービスである。個々の基盤モデルを呼び出すインタフェースをアプリケーションから隠蔽できるので、基盤モデルを途中で変更するといったことが容易である(図1)。
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Bedrockで選べる基盤モデルは「半年前と比べて倍増している」(同社)という(図2)。現在、リージョンにもよるが、30種類の基盤モデルを利用可能である。基盤モデルの選択肢が増えることで、個々の業務から見て、より適した基盤モデルを使えるようになる。
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自社でカスタマイズした基盤モデルをBedrockに取り込む機能を、一部リージョンでプレビュー提供を開始した(図3)。Bedrockで選べる他の基盤モデルと同様に、BedrockのAPIを介して自社カスタマイズの基盤モデルにアクセスできるようになる。カスタマイズのベースとして使える基盤モデルは現在、Flan-T5、Llama、Mistralの3種類。
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Bedrock上で提供している基盤モデルが自社の用途にどれだけ適しているのかを比較して評価する機能を一部リージョンで一般提供を開始している(図4)。精度、堅牢性、有害コンテンツ生成リスクの低さといったメトリクスを評価するためのアルゴリズムを用意しており、自動で評価が可能である。数値化しづらい要素(親しみやすさ、文章の雰囲気など)についても、人間による評価を組み込める。
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画像生成モデル「Amazon Titan Image Generator」では、生成後の画像に、同モデルで生成した画像であることを示す情報をウォーターマーク(電子透かし)として埋め込む機能を実装。画像ファイルをアップロードして検証するためのWeb画面を用意した。
有害なコンテンツを表示しないように制御する機能「Guardrails for Amazon Bedrock」を、東京リージョンを含む各リージョンで一般提供を開始した(図5)。不適切なトピックや単語を拒否できる。フィルタリングのルールとして、暴力や犯罪などカテゴリごとにしきい値を設定できるほか、任意のキーワードを指定できる。
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