ノーチラス・テクノロジーズは2024年9月2日、RDBMS「劔 "Tsurugi"」の有料版をリリースした。高性能サーバー(メニーコア、大容量メモリーなど)に適合したRDBMSで、ハードウェア性能に比例して処理性能が向上する特性を持つ。2023年10月にオープンソース版を一般公開しており、これまでベータ版の位置づけだった有料版を有料のサポートサービスと共に正式に提供する。価格(税別)は年額200万円から。
ノーチラス・テクノロジーズの「劔 "Tsurugi"」は、NECとの共同研究による、高性能サーバー(メニーコア、大容量メモリーなど)に適合したリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)である。ハードウェア性能(CPUコア数)に比例して処理性能が向上する特性を持つ(関連記事:NECとノーチラス、CPUコア数に応じて性能向上するRDBMS「劔 "Tsurugi"」を開発)。
2023年10月にオープンソース版を一般公開しており、これまでベータ版の位置づけだった有料版を、有料のサポートサービスと共に正式に提供する。サポートサービスでは、個別の問い合わせ窓口を設け、システムの設計段階からの問い合わせを受け付ける。
オープンソース版では未提供の2つの運用・管理ツールを用意する。「Altimeter」は、劔の稼働状態を確認するツールで、稼働サーバーの状態やスレッド数などを確認できる。もう1つの「Belayer UI」は、劔のバックアップ/リストアなどを実行するデータ管理API「Belayer」の専用UIである。
有料版は、現バージョンではシングルノード構成システムでの運用に対応する。今後のバージョンで、データベースとしての安定性や利用可能なSQLの拡張、パフォーマンスの維持・向上、高可用性の確保(マルチノード構成、マルチデータセンター構成)などを目指す。2024年度中にSQLの拡張、ラック内での可用性確保、Linux系稼働OSの拡張を予定している。2025年度以降、データセンター間で可用性を確保できるようにする。
有料サポートサービスは下位版と上位版がある。下位版の「スタンダード・サポート」は、1サーバーあたり32コアまでの環境が対象。問い合わせに対して製品仕様に即して回答する。運用・管理ツール(Altimeter/Belayer UI)は製品提供のみで、サポートは付随しない。
上位版の「エンタープライズ・サポート」は、1サーバーあたりのコア数が無制限である。問い合わせにシステムの業務仕様を考慮して詳細に回答する。例えば、設計時はアーキテクチャやデータモデルのレビュー、実装時はコードレビューやサンプルコードの提示などについての問い合わせにも回答する。システム障害時は、暫定パッチの提供や再現環境における検証まで担い、運用・管理ツールを使いこなすためのサポートも提供する。
有料版の価格(税別)は年額200万円から。ノーチラス・テクノロジーズは、有料サポートサービスの対象とならないシステム開発・運用作業全般については、別途プロフェッショナルサービスとして個別に対応するとしている。