[市場動向]

上智大学とJ:COM、AI/データサイエンスによる「パーソナライズドダイジェスト動画自動生成」を共同開発へ

2024年10月4日(金)IT Leaders編集部

上智大学(本部:東京都千代田区)とJ:COM(本社:東京都千代田区)は2024年10月3日、AIとデータサイエンスを駆使し、「パーソナライズドダイジェスト動画自動生成」を主とする新技術の共同研究開発契約を締結したと発表した。現代の映像の消費パターンの多様化と個別化するニーズの高まりを受けて、産学連携でAIとデータを駆使した、パーソナライズドダイジェスト動画の自動生成の仕組みを構築する。

 上智大学とケーブルテレビ事業「J:COM」を運営するJCOM(以下、J:COM)は、AIとデータサイエンスを駆使し、「パーソナライズドダイジェスト動画自動生成」を主とする新技術の共同研究開発に着手する。現代の映像の消費パターンの多様化と個別化するニーズの高まりを受けて、産学連携でAIとデータを駆使した、パーソナライズドダイジェスト動画の自動生成の仕組みを構築する(写真1)。

写真1:上智大学特任教授の百瀬公朗氏(左)と、J:COM データビジネス企画部長の鎌田幹生氏(出典:J:COM)

 共同研究プロジェクトの体制として、上智大学大学院 応用データサイエンス学位プログラム 百瀬研究室(担当:同大学特任教授 百瀬公朗氏)でデータ分析に取り組む学生と、J:COMのビジネスイノベーション部門 ビジネスデザイン本部のデータサイエンティストが共同で推進する。なお、百瀬氏および百瀬研究室は、データサイエンスの適用例として、プロセスマイニングの学術的およびビジネス的価値の研究にも取り組んでいる。

 両組織は、AI技術の急速な進歩に対応し、未来を見据えた長期的な開発を行うとしている。「新技術の開発や活用に重点を置く通常の研究とは異なり、次世代のAI技術にも対応可能な柔軟かつ持続的なフレームワークの作成を目指す」(両組織)。

 主とする研究テーマのパーソナライズドダイジェスト動画自動生成は、スポーツ、ドラマ、音楽、アニメなどの幅広いジャンルで、長尺の動画やシリーズ作品を視聴者がスキマ時間で楽しめるよう10~20分に凝縮する技術を指す。

 特定の人物(選手・俳優・歌手・キャラクター)に焦点を当てたシーンの抽出や、視聴者が好む場面の抽出などにより、視聴者一人ひとりに最適化されたダイジェスト動画を自動生成することを目的としている。

 「例えば、数日にわたって開催されるスポーツや音楽イベントの映像も簡単にハイライトに凝縮でき、個人として楽しむための“推し”だけのハイライト動画やニッチな場面のみを集めたダイジェストも作成可能。この技術の可能性を探り、視聴体験の革新を目指す」(両組織)

 上智大学の百瀬氏は、共同研究の意義を次のように説明する。「今回の共同研究の特徴は、現在急速に進化している画像系AI技術を活用することにとどまらず、将来的な発展を見据えた長期的な視点からの活用フレームワークの探求にも取り組んでいること。これにより、短期的な成果だけでなく、持続的かつ柔軟な技術基盤を構築し、今後の技術進展や研究ニーズの変化に対応できる仕組みの確立を目指す」。

 J:COM データビジネス企画部長の鎌田幹生氏は次のようにコメントしている。「データサイエンスによるビジネス成果創出や事業化を追求している百瀬研究室との共同研究に、大きな期待を寄せている。講義協力やインターンシップを通じた上智大学との強固なパートナーシップを基盤に、感動的な映像視聴体験を届けるという、新たな可能性を切り拓けることを楽しみにしている」。

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