静岡銀行(本店:静岡県静岡市)は2024年10月15日、勘定系システムの追加開発に生成AIを適用する検証を開始したと発表した。詳細設計書からAIがソースコードやテストケースを自動生成し、エンジニアが作成した成果物との差異を検証する。勘定系システムは日立製作所と共同で開発したもので、今回の検証も共同で実施する。
静岡銀行が現在運用中の勘定系システムは、日立製作所と共同で開発したもので、2021年から稼働している。Linuxで動作するオープン系システムで、機能拡張の容易さを特徴としている(関連記事:日立、Linuxで稼働する勘定系パッケージ「OpenStage」を発表、静岡銀行のシステムがベース)。
同行は今回、オープン勘定系システムの機能を追加開発する用途に生成AIを適用する検証を始めた。開発プロセスのうち、まずは製造・単体テスト工程にAIを適用する(図1)。
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具体的には、詳細設計書からAIがソースコードやテストケースを自動生成し、日立のエンジニアが生成したソースコードやテストケースとの差異を検証する。さらに、システム開発に関する業務知識やプロジェクト情報などを活用する知識データベースを構築する。
今後は、製造・単体テスト工程だけでなく上流工程である要件定義や影響調査を含めた全工程に生成AIを適用する。知識データベースも高度化する。また、勘定系システムだけでなく、静岡銀行のシステム全体への適用を検討する。