[事例ニュース]
女性用靴下・インナーSPAのチュチュアンナ、直営250店舗のデータ分析基盤を刷新
2024年10月29日(火)IT Leaders編集部
女性用靴下・インナーSPA(製造小売業)のチュチュアンナ(本社:大阪府大阪市)はデータ活用基盤を刷新した。ウイングアーク1stのBIツール「Dr.Sum」とBIダッシュボード「MotionBoard」を導入し、分析対象データの取得時間を短縮したほか、定型分析に加えて自由分析が可能になった。ウイングアーク1stが2024年10月28日に発表した。
10代~30代の女性をメイン顧客層にした下着・靴下・ルームウェアのブランド「チュチュアンナ(tutuanna)」。国内外に約450の直営店舗・フランチャイズ店舗を構え、ECサイトも展開している。
チュチュアンナの小売事業の特徴は取扱商品点数が多く、短いサイクルで新商品を追加していること。店舗ごとに商品ラインアップを最適化する必要もあり、在庫の適正な管理が求められていた。
これまでのデータ活用基盤は、もっぱら定型的な分析に終始していた。新たなデータ分析ニーズが生じた際は、複数のシステムから必要なデータを手作業で収集・統合した後、情報システム部門に依頼して分析項目の追加開発を行わなくてはならなかった。
こうしてデータ集計・分析処理に多大な時間を要していたため、商品の流行や販売要件の変化が激しい状況下でも店舗でのデータ分析と活用が進まず、経験と勘に頼るしかなかったという。
そこで、マーチャンダイジング(MD)にだれでも携われるようにすること、在庫管理の精度を向上させることなどを目的に、データ分析基盤の刷新に動いた。2023年8月に新基幹システムを稼働開始したタイミングで、 ウイングアーク1stのBIツール「Dr.Sum」と、同ツールで管理するデータをExcelやWebブラウザで扱えるようにする「Dr.Sum Datalizer」を導入。BIツールを中核に新しいデータ分析基盤を構築した。(図1)。
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チュチュアンナは新しいデータ分析基盤の下、直営約250店舗の売上データ(POSデータ)など過去3年分の売上データ約1億5000万レコードと、約30万SKU分の在庫データを統合・管理している。商品(アイテム)別およびエリア別の週間の売上実績を前年比および前週比の形で可視化するなど、経営施策や営業施策の立案と改善に役立てている。
同社では毎週月曜日に経営会議があり、営業・マーケティング部門や商品部門などが前週実績を報告している。以前はその報告に必要な定型分析データの取得に2分かかっていたのが、2~3秒で済むようになったという。
Dr.Sumの機能を活用することで、定型分析のみならず自由分析が可能になった。例えば商品部では、Datalizerを使ってアイテムを素材や靴下丈の長さといった要素でドリルダウンし、それぞれの売れ行きのトレンドを分析。データに基づいた仕入れと在庫調整・管理が実現し、各所在庫を適正に保てるようになったという。
また、同社は、店舗前に設置したカメラから通行量を入店数から入店率を割り出し、これらをPOSデータと突合してマーケティング施策の良否を判断するなど、高度なデータ活用にも取り組んでいる。
2024年9月にはBIダッシュボードの「MotionBoard」を導入し、各店舗の店長が自店舗の状況を一目で確認できるようになった。今後は、需要予測や在庫管理の精緻化、顧客理解の深化に役立ていく計画である。
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