[調査・レポート]

内製か外製か? 国内企業の多くが経営やDXに密接なIT業務を内製化している─IDC

2025年1月23日(木)IT Leaders編集部

IDC Japanは2025年1月22日、国内ユーザー企業のIT組織における業務の内製化についての調査結果を発表した。IT業務を内製で対応する企業は多く、特に業務プロセスの改善やデータ分析、IT/DX戦略の策定など、企業運営やDXに密接に関係するIT業務について内製化の傾向が強いことが分かった。

 IDC Japanは2024年5月、国内の従業員300人以上のユーザー企業を対象に、IT組織における業務の内製化について調査した。IT戦略の策定や予算の決裁、IT部門の管理に関わる300人を対象にアンケート調査を実施した。

 「現在、IT部門の業務範囲は従来の構築・開発・運用だけでなく、経営や事業に近いタスクへと拡大している。一方、日本全体の労働力不足は解消される見込みはない。こうした中、多くの企業がIT業務の内製化を検討している」(IDC)。調査では、内製化の現状と今後の計画、内製化/外製化の重要な要素となる規程化/標準化の現状や課題について尋ねている。

図1:IT/DX部門担当業務の内製/外製の現状(出典:IDC Japan)
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 調査結果から、国内企業のIT/DX部門の業務において、全般的に外製より内製の傾向が強いことが見てとれる(図1)。内製傾向がより強い上位項目(赤色枠)は、ほぼ事業や業務に密接に関連する領域で、企業運営やDXの中核的な業務が中心となっている。

 一方、外製傾向がより強い下位項目(青色枠)は、システムの保守/運用やヘルプデスクなど、比較的規程化/標準化しやすい下流工程に集中している。

 今後の内製/外製強化の計画についても問うている。「現状維持する予定」と回答した企業が約半数存在する一方で、「社内アプリケーション開発/導入の下流工程」「データ/データベース/データウェアハウス(DWH)の管理」「情報セキュリティの対応」の内製化を試みようとしている企業が多い。「企業が迅速に市場や顧客のニーズの変化を捉え、それに呼応できるデジタル基盤を運用しようとしている姿勢の表れである」とIDCは見ている。

 「国内企業は、現在の内製/外製の状況や将来に向けた計画に関わらず、企業組織全体の役割やその社員の役職、職務を明確に定義(規程化/標準化)し、新興テクノロジーなどを採用しながらその改善、向上に務め、継続的に企業に対してあるべき内製/外製の姿を追求するべきである」(同社 Tech Buyer リサーチマネージャーの鈴木剛氏)

 今回の発表は、同社のレポート「2024年 国内企業のIT組織の業務内製化と規程整備の現状と今後」に基づく。同レポートは、国内のエンドユーザー企業のIT/DX部門の業務範囲、その内製化・外製化、規程化・標準化の現状や今後の計画を、回答者全体、資本集約型業種企業、労働集約型業種企業に分類して動向を分析している。

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