[調査・レポート]
“FOMO”から脱却し、確信を持って冷静な投資を─KPMGがテクノロジー活用の世界動向を解説
2025年2月10日(月)愛甲 峻(IT Leaders編集部)
KPMGコンサルティングは2025年1月31日、年次ユーザー調査レポート「KPMGグローバルテクノロジーレポート2024」を発刊した。26の国・地域のCIOやCDOを対象に、組織におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の進捗や取り組み状況を調査し、成功している組織の特徴や傾向などの洞察をまとめている。同日に開いた説明会に2名のアナリストが登壇し、AIをはじめとするさまざまなテクノロジーへの投資意向や導入・活用の状況といった調査結果を解説。先進的な組織の取り組みや、DXで成功を収めるための推奨事項を紹介した。
KPMGコンサルティングの「KPMGグローバルテクノロジーレポート」は、幅広い組織におけるテクノロジーへの投資意向や活用実態などを調査し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実状や、成功している組織の特徴や傾向を分析した年次レポートである。2025年1月31日発表の2024年版は、日本を含む26の国・地域における、年間売上高が1億米ドル(約150億円)を超える組織の上級管理職(CIO、CDO、CTOなど)2450人を調査対象としている。
説明会の冒頭、同社 Technology Transformationビジネスユニット・CIOアドバイザリチーム リーダー アソシエイトパートナーの吉澤邦仁氏(写真1)は主要な指標を紹介し、調査対象の組織におけるDXの状況を概括した。
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「大多数の組織がテクノロジー活用の成果を実感ないし証明している」(吉澤氏)。調査によれば、過去2年にDXで10%以上の利益を達成した組織は59%、AIをビジネスに実装し価値を生んでいる組織が74%に上る。テクノロジーの活用で収益が増加した組織は87%で、昨年を25%上回った。
一方で課題もある。例えば、8割近くが新たなテクノロジーの登場に伴う変化への対応に苦慮しているほか、サイバーセキュリティやプライバシーに関する危惧、AI活用の拡大で生じるオペレーションへの影響などが懸念材料となり、DXの推進を阻害しているという(図1)。
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