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テイラー、「Omakase ERP」をリリース、機能と画面を切り離した“ヘッドレスERP”でAPI連携を容易に
2025年3月21日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
米Tailor Technologies日本法人のテイラーは2025年3月21日、クラウドERP「Omakase ERP」を提供開始した。ERPを構成する各機能は画面と切り離してAPIの形で実装する“ヘッドレスERP”アーキテクチャが特徴で、既存の各業務システムとの連携が容易である。ライセンスとSIサービスをトータルで提供する。顧客ターゲットは年商500億円以上の中堅・大企業で、料金は個別見積もり。
アプリケーション開発プラットフォームベンダーの米Tailor Technologies(日本法人:テイラー)が、クラウドERPアプリケーションの「Omakase ERP」を開発し、提供を開始した。
特徴は、ERPを構成する各機能を画面と切り離してAPIの形で実装していることで、同社はこのアーキテクチャを“ヘッドレスERP”と呼んでいる。APIとして実装したことで、機能間および外部システムとの連携を容易にしている(図1)。

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上記のアーキテクチャの下、GUI画面を備えたクラウドERPとして提供する。自社開発した画面生成ツールを用いて、セミオーダー型で、ユーザー企業に合わせたGUI画面を最短数日で実装する。画面はモダンUI技術を採用しており、開発者の手を離れてユーザーに提供した後も、ユーザーみずから画面をカスタマイズ可能である。
Omakase ERPの各機能を、テイラーが以前より提供するアプリケーション開発プラットフォーム「Tailor Platform」の下で開発している。Tailor Platformは、APIで利用するバックエンドシステムを高速に開発する目的で構築した同社の主力製品である。
開発者が業務ロジックの開発にリソースを集中できるよう、アプリケーションに必要な共通要素をあらかじめ用意し、開発を省力化している。Omakase ERPのユーザーもTailor Platformの機能をフルで利用できる。

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Omakase ERPに備わる業務機能は、受発注や在庫管理、入出庫、生産計画などの周辺機能群が中心で、会計や人事といったコア機能は現時点では提供していない(図2)。
テイラー代表取締役の柴田陽氏(写真1)は、「SAP ERPなど他の既存ERPとは補完的な関係にあり、業務現場においてカスタマイズの要求が高い機能群を、APIによって連携しやすい形て提供している」と位置づけを説明した。
柴田氏は、ERP市場のトレンドが、同一ベンダーの機能群を密結合したモノリシックなERPから、コアERPとCRM/SFAなどの周辺システムを連携させた“ポストモダンERP”、さらに個々の機能群がそれぞれAPI経由で連携する“コンポーザブルERP”へと進んできたと説明。そのうえで、「コンポーザブルERPを実現するためには、業務機能を画面と切り離してAPI経由で提供するヘッドレスERPが不可欠である」(柴田氏)と強調した。