KPMGコンサルティングと有限責任あずさ監査法人は2025年5月26日、「AIエージェントアドバイザリーサービス」を提供開始した。AIエージェントの普及を見据えたAI/DX戦略策定や、業務特化型のAIエージェントの開発を支援する。
KPMGコンサルティングと有限責任あずさ監査法人は、「AIエージェントアドバイザリーサービス」を提供開始した。人間からの指示を受けてタスクの設計や実行を自律的に行うAIエージェントの構築・活用を支援する(図1)。

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アドバイザリーサービスとして、AI/DX戦略の策定や、AIエージェントの活用促進などを助言するのに加えて、各社固有の業務ニーズにカスタマイズしたAIエージェントの開発・導入を支援する。オンプレミス環境への実装にも対応し、高いセキュリティレベルが要求される業界での適用に応える。
「昨今は軽量ながら性能が大きく劣らない小規模言語モデル(SLM)が注目を集めている。これまで、生成AIの基盤モデルを開発できるのは巨大な計算資源を持つ企業に限られていたが、そうでない企業でも自社専用の生成AI環境を構築できるようになっていく」(同社)。
KPMGジャパンは、個別企業の情報を学習させたSLMを基にした自社専用のAIエージェントの整備と実務適用を「AI活用の本丸」と捉えている。同社内に業務特化型のSLM開発のための基盤を構築し、顧客ごとに最適な生成AIシステム/AIエージェントの開発支援体制を整えているという。AIエージェントの適用例として以下を挙げている。
金融機関業務
- 融資関連手続き(融資稟議書ドラフトの自動作成)の自動化・効率化
- 金融犯罪対策に関連する業務効率化・高度化
- パーソナライズされた法人・個人顧客向けの提案サポート
- 保険の引受や支払などの効率化
- その他機密性が要求される業務へのAI活用
経理業務
- 連結子会社分析
- 月次PL予実比較分析
- 各種書類・証憑とデータの自動照合
- 会計上の取り扱いの自動判定
- 財務経理関連の問合せ業務の効率化
その他業務
- 医療関連業務への適用(治験関連文書からの情報抽出、臨床試験計画のドラフト作成)
- FMEAに準じた故障モード解析
- 製造原価の計算