[市場動向]
富士通、金融システムのSIを「Uvance for Finance」として体系化、同社製ATMは2028年3月に提供終了
2025年6月3日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
富士通は2025年6月3日、金融機関向けシステムのSIサービスを「Uvance for Finance」として体系化したと発表した。勘定系システムと営業店システムを、クラウドやオープンアーキテクチャを用いて継続的に進化させる。また、2028年3月末をもって、富士通製のATMと営業店専用ハードウェアの提供を終了する。その後のハードウェアの調達については、沖電気工業(OKI)との合意の下でOKI製品などを提供する。
富士通は、金融機関向けシステムのSIサービスを「Uvance for Finance」として体系化した。勘定系システム「Fujitsu Core Banking xBank(クロスバンク)」と営業店システム「Digital Branch(デジタルブランチ)」を中核に据え、これらをクラウドやオープンアーキテクチャを取り入れて継続的に進化させる。これらのシステムから得られるデータを活用して新規サービスを創出できるようにする。
勘定系のxBankは、Amazon Web Services(AWS)上で稼働し、コンテナ技術を用いたマイクロサービスアーキテクチャにより、サービスや機能の開発・改良を迅速に行える。ファーストユーザーはソニー銀行で、2025年5月より稼動開始している(図1、関連記事:ソニー銀行、新勘定系システムがAWSで稼働開始、マイクロサービス採用で開発/改善を迅速化) 。

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富士通によると、同社の金融事業における売上額は、2020年度が3607億円で、2024年度は4690億円、うちUvanceは325億円だった。2025年度は、Uvanceの比率を高め、5200億円超、うちUvanceは700億円超の売上げを目指す。勘定系システムと営業店システムの市場シェアについて、2035年度時点で共に50%超を目指すとしている(図2)。

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Uvanceを中心としたサービスビジネスへの注力に伴い、2028年3月末をもって、富士通製のATM(現金自動預払機)と営業店専用ハードウェアの提供を終了する。以降のハードウェアの調達については、沖電気工業(OKI)と2025年4月に基本合意を締結しており、OKI製品などを提供する。富士通ハードウェアの保守サポートは、各契約の期間満了をもって順次終了する。最終の保守サポート期限は2036年3月末となる(図3)。

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