ソニー銀行(本店:東京都千代田区)は2025年5月7日、勘定系システムを刷新し、同年5月6日にAWS上で新システムの稼働を開始したと発表した。富士通の勘定系システムパッケージ「Fujitsu Core Banking xBank」のファーストユーザーにあたる。コンテナ技術を用いたマイクロサービスアーキテクチャを採用し、サービスや機能の開発・改良を迅速に行えるようにしている。
ソニー銀行は、勘定系システムを刷新し、2025年5月6日にAmazon Web Services(AWS)上で新システムの稼働を開始した。今回の刷新により、先行してクラウド化を進めてきた周辺システムに加え、ソニー銀行が管理するほぼすべてのシステムがクラウド上で稼働することになる(図1)。

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富士通の勘定系システムパッケージ「Fujitsu Core Banking xBank」のファーストユーザーにあたる。特徴として、コンテナ技術(主にサーバーレスのAWS Fargate)を用いたマイクロサービスアーキテクチャを採用している。新しいサービス・機能の開発・改良を迅速に行えるようになったほか、プログラムの資産規模も従来の40%に減ったという。
「マイクロサービスは非同期処理が基本だが、勘定系システムはトランザクションの信頼性と整合性を保証する必要がある。この点に対しては、例えば『普通預金から定期預金への振替における資金移動』のように、データの一貫性保証が必要な処理を見極め、必要な箇所で同期性を担保した」(富士通)
新システムでは、データベース同期機能「Amazon Aurora Global Database」を用いて、AWSの東阪リージョン間でAmazon Auroraデータベースを複製している。これにより、東京リージョン被災時の目標復旧時点(RPO)は、通常で1秒未満を保っているという。
なお、ソニー銀行は2013年から、一般社内業務システム、銀行業務周辺系システム、総勘定元帳勘定系の一部である財務会計システムを、AWSのアジアパシフィック(東京)リージョンと大阪ローカルリージョンへの移行を推進。2020年の7月時点で約80%のシステムがAWS上で稼働していた。2021年に大阪ローカルリージョンがAWSアジアパシフィック(大阪)リージョンとしてフルリージョン化したことを受けて今回、勘定系システムをAWSに移行した。