[事例ニュース]
日清食品HD、分散したERPデータをDWHにリアルタイム統合、意思決定を迅速化
2025年6月5日(木)IT Leaders編集部、日川 佳三
日清食品ホールディングス(本店:大阪府大阪市、以下、日清食品HD)は、データ統合/分析基盤を構築した。ERPのデータを、データ統合プラットフォーム「Qlik Talend Cloud」を用いてリアルタイムでクラウドDWH「Snowflake」に統合する。より正確かつ迅速な意思決定が狙いである。クリックテック・ジャパンが2025年6月4日に発表した。
日清食品ホールディングスは、データドリブンな企業文化を実現するために、データ統合基盤の構築に取り組んでいる。以前の環境では、SAPを基盤とした基幹システムのデータが複数のプラットフォームに分散し、統一された基盤の構築が難しい状態だった。また、データの更新は1日1回のみ手動で行われていたため、リアルタイム性の欠如により意思決定が遅れるとともに、運用上の負担を増加させていたという。
今回、より正確かつ迅速な意思決定を可能にすべく、データ統合/分析基盤を刷新した。上述のERPのデータを、クラウドベースのデータ統合プラットフォーム「Qlik Talend Cloud」(図1)を用いて、リアルタイムでクラウドデータウェアハウス(DWH)の「Snowflake」に統合する仕組みである。

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日清食品HDの執行役員でCIO/グループ情報責任者を務める成田敏博氏は、「ゴールは日清食品グループを、データで判断し、議論し、意思決定する企業体にしていくこと。それにあたって、基幹システムを1つの基盤に統合することは不可欠だった」と説明している。
新たなデータ分析基盤により、手作業でデータをダウンロードするなどの作業が不要になり、活用対象を広げながらリアルタイムな意思決定に役立てられるようになった。
物流部門や営業部門では、AIを活用した自動化技術を合わせて適用し、出荷や売上のデータから、トラブル対処をはじめとした意思決定に必要な情報をリアルタイムで従業員に通知できるようになったという。