高機能素材・化学メーカーの巴川コーポレーション(本社:東京都中央区)は、「秘密計算AI」を活用した企業間データ連携の実証実験を開始した。開発期間とコストの削減、データ資産の有効活用、競争力強化を目指す。日立ハイテクが2026年3月19日に発表した。
巴川コーポレーション(旧社名:巴川製紙所)は、創業110年を超える歴史を持つ、紙の技術を核とした高機能素材・化学メーカーである。半導体用テープやディスプレイ用フィルム、プリンター用トナーなどの電子材料事業が主力で、世界シェアを持つ製品も展開している。
今回、サプライヤーとバイヤーとのデータ連携に「秘密計算AI」を適用して機密情報の流出を回避する実証実験を開始した(図1)。
図1:巴川コーポレーションが取り組む、秘密計算による企業間データ連携の概要(出典:日立ハイテク) 秘密計算は、データを秘匿化(暗号化)したまま演算し、分析結果のみを企業間で共有可能にする技術。自社データを外部に開示することなく、共同でAIモデルの学習・推論を行える。
「マテリアルズインフォマティクス(MI)の高度化には、企業同士のデータ連携がカギとなる。サプライヤーが持つ製造条件とバイヤーが持つ評価データを連携できれば、開発効率が上がる。しかし、各社が保持する重要な技術やノウハウが流出するリスクがある」(巴川コーポレーション、日立ハイテク)
日立ハイテクの支援を得て行った実証では、EAGLYSの秘密計算AIシステム「ALCHEMISTA」を用いて、顧客との間で企業間データ連携による材料開発を実施。これにより、開発期間とコストの削減、データ資産の有効活用、競争力強化を目指す。MI技術のコンサルティングとプロジェクトの取りまとめを日立ハイテクがサポートする。
巴川コーポレーション / 秘密計算 / データ連携 / 化学 / 製造 / 日立ハイテク / マテリアルズインフォマティクス
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