川崎重工業(東京本社:東京都港区、神戸本社:兵庫県神戸市中央区)は、エネルギー・船舶事業部門において、品質関連規程を検索するポータルを構築した。2025年3月に稼働を始め、現在も月間で約4000回の利用があり、ピーク時には7000回を超える。同社にRAG型検索システム「Cogmo Enterprise 生成AI」を提供したアイアクトが2026年8月25日に発表した。
川崎重工業のエネルギー・船舶事業部門「エネルギーソリューション&マリンカンパニー」には、新製品開発、設計審査、プロジェクト管理など、品質に関する規程が多数存在する。特に、設計審査規程に基づく設計審査は厳格で、全6ステージの審議会を通過しなければ、次の製造ステージに進むことができない。
規程は、細則を含まないものに限っても、合計で約3000ページにのぼる。この中から業務に必要な情報を社員が自力で探し出すには、一定の知識や経験が必要であり、検索環境の整備が課題だった。過去には、規程の該当箇所を探すのに時間がかかり、見落としが生じるケースもあった。
こうした課題を解消するため、事業部門共通で利用できるAI検索ポータルを構築した(図1)。特徴は、RAG(検索拡張生成)の仕組みを導入したことである。もともとは、規程文書を管理する文書管理サーバー「SharePoint」が備える検索機能を利用していたが、これをRAG型のAI検索に置き換えた。
図1:SharePointとRAG型AIシステムを組み合わせて構築した規程検索ポータルの概要(出典:アイアクト)拡大画像表示
RAG型の検索システムには「Cogmo Enterprise 生成AI」(アイアクトが提供)を採用した。これをSharePointと連携させて使っている。SharePoint上の検索窓にキーワードの断片などの質問文を入力すると、RAGによる回答が得られる。回答内にあるリンクをクリックすると、SharePoint上にある該当文書の該当ページが開く。検索対象の規程文書は、SharePoint APIを介して定期的に自動取得し、検索の対象に反映する。
AI検索ポータルにより、規程を探す時間が減った。ポータルを公開してから約1年間が経過したが、現在でも月間平均で約4000回、ピーク時に7000回を超える利用が続いている。こうした成果を受けて現在、川崎重工業内の他カンパニー・他部門への導入検討も進んでいる。さらに、過去の不具合情報を検索するシステムも構築し、運用を始めている。
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